これまでの街歩き

ロンドン ビクトリア駅から歩く/ イギリス

2006年11月28日(火) 初回放送

語り:浅野和之

撮影時期:2006年10月

世界地図

地図

場所

 西暦43年、ローマ皇帝クラディウス1世がブリタニアを征服し、テムズ河の北岸に植民地ロンディニウムを建設しました。これがイギリスの首都、ロンドンの起源です。
現在のロンドンはテムズ河下流の南北岸にまたがる約1600k㎡の大都市。1666年のロンドン大火で町の8割が焼失して以来、木造建築は禁止され煉瓦と石造りの街並みに変わりました。
世界各地からの文化財を収蔵する大英博物館や大英図書館をはじめ、多数の博物館、図書館、美術館がロンドンに集中しているため、国際的な文化の中心ともなっています。
1960年代のイギリス経済低迷期には、失業者の増加とともに街が荒廃し犯罪も増えましたが、90年代以降は景気も回復し、ロンドンは再び世界の金融の中心地となりました。第二次大戦後に急増した旧植民地出身の移民に加え、近年ではイスラム系の移民が増加しています。
ロンドンは2012年の第30回夏季オリンピック開催地に決まっており、1908年、1948年に続く3回目の開催は、同一都市としては史上最多です。

Information

高級靴店の木型

先祖代々、客の足にぴったり合う靴を、一つ一つオーダーメイドで作ってきた高級靴店。靴を作る為には、まず客の足の形と大きさを測ります。鉛筆で足の周りを正確にかたどり、それを基に木型を作ります。
店の地下室が木型の倉庫になっていて、木型はその主が亡くなるまで保管されます。その数、およそ1万3千。昔はアルファベット順に並べられていたそうですが、数が増えすぎたので、今は数字で整理しています。
世界にひとつの木型から、世界にひとつの靴を作る。誇り高い靴屋さんでした。

ケンジントンの空中庭園

ケンジントンの6階建てのビルの屋上に、空中庭園があります。
庭園にはフラミンゴが2羽とアヒルが10羽いて、高い木、低い木あわせて200種類の植物が植えられています。この空中庭園ができたのは1938年。当時、ここはデパートでしたが庭のおかげで一躍有名になりました。でも庭園の維持にはとても手がかかります。大変なのは土です。一番深いところでも1.5メートルしかないので、栄養分が雨などで流されてしまわないように、ふつうより頻繁に肥料をあげなくてはなりません。ロンドンでたった一つの空中庭園は大切に守られているのです。

チェルシー ロイヤルホスピタル

ロイヤルホスピタルとは、引退した陸軍軍人の保養所です。今からおよそ300年前に、時の国王チャールズ2世が、兵士たちの労苦に報い、老後の面倒をみるために作りました。
入所の条件は、65歳以上で、元志願兵であること。入所希望者はまず3日間ここで過ごし、気に入れば手続きをとります。現在、300人の退役兵士が暮らしています。
それぞれ個室が与えられ、電気製品も完備しています。食堂では、朝昼晩の食事が供され、教会ではミサや葬儀も行われます。
退役兵たちは、ここで心穏やかな老後を送っています。

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