これまでの街歩き

バルパライソ/ チリ

2007年1月9日(火) 初回放送

語り:浅野和之

撮影時期:2006年12月

世界地図

地図

場所

南北およそ4300キロ、東西170キロという細長い南米の国チリ。そのほぼ中央、首都サンティアゴのすぐ隣にある港町がバルパライソです。人口27万人。パナマ運河ができる前は、マゼラン海峡を越えたヨーロッパの船が集結する南米大陸最大の国際港でした。16世紀にこの港を発見したスペイン人は、海に向かって扇型に広がる斜面、連なる丘と谷をみて「天国の谷(バル=谷、パライソ=天国)」と名づけました。びっくりするほど急勾配の坂道にカラフルな家が積み重なるように並ぶ街並みは、世界遺産にも登録され、ヨーロッパからの観光客が大勢訪れています。

Information

丘のエレベーター『アセンソール』

丘の斜面に張り付くようにレールが敷かれ、その上を小さな箱が上り下り。これが「アセンソール」。スペイン語でエレベーターという意味です。バルパライソが栄えた19世紀終わりから20世紀初めに作られました。現在15基のアセンソールが丘の下と上をつないでいます。中には最大傾斜角50度という世界遺産に選ばれたものも。今も坂の街に住むバルパライソ市民の大事な足となっています。

バードウォチング

11月から2月の夏の間、バルパライソの沖合ではバードウォッチングが楽しめます。強い風の吹くときが狙い目。渡り鳥たちは飛び疲れているので、エサをまくと争うように集ってきます。カモメ、ペリカン、そしてアホウドリの仲間がたくさん。中でも見ものなのは、ワタリアホウドリ。鳥類で最大の翼長(およそ3.5m)をもち、空をすべるように飛ぶ勇姿は一見の価値があります。

ボランティア消防団

バルパライソではボランティアの消防団が活躍しています。設立は19世紀半ば。ドイツ、イギリス、フランスなど海外から移住してきた人々が各々のコミュニティーごとに作ったのが始まりです。その伝統は今も受け継がれており、隊員は仕事を持ちながら、バルパライソの消防、事故のレスキューに活躍しています。実は、チリの消防団はみんなボランティアで運営されているんですが、その始まりは、バルパライソだったというわけです。

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