これまでの街歩き

フェズ/ モロッコ

2008年4月10日(木) 初回放送

語り:松田洋治

撮影時期:2008年3月

世界地図

地図

場所

北アフリカ、モロッコの古都、フェズ。9世紀の初めに、イスラム王朝イドリース朝の都として建設され、その後もいくつかの王朝のもと栄華を極めました。
世界遺産にも登録されたフェズの旧市街の中は、細い道が迷路のように入り組んでいます。これは外敵の侵入を防ぐ目的で設計されたもので、水路やなめし皮工房の位置なども全て計画的に配置されました。街を作った王様、ムーレイ・イドリース2世のお墓には、今も多くの人々が訪れています。

Information

ロバ

フェズの旧市街の道はとても狭いので、物資の運搬には馬やラバ、特にロバが大活躍します。良いロバの見分け方は①「立ってる姿」。いいロバは見た目でわかるそうです。②「歯」。歳をとっているかどうかは、歯、特に犬歯を見ると分かるのだとか。
旧市街の門の近くには、ロバの待合所があります。トラックで運ばれてきた荷物は、ここでロバに積み替えられ、旧市街の中へと入っていくのです。ロバは貸し出し制なので、レンタカーみたいなものですね。ロバの額にはナンバープレートまでついています。
現在、フェズの旧市街にはおよそ200頭のロバが行きかっているそうです。ロバは旧市街の暮らしになくてはならない存在なのです。

旧市街の邸宅

13世紀から続く旧家、エル・モクリ家の邸宅は、フェズ旧市街の典型的な邸宅です。屋敷には45もの部屋があり、現在ここで20人の家族が暮らしています。
建物のそこここには、精緻なモザイクや鮮やかなステンドグラスなど、絢爛(けんらん)豪華な装飾が施されています。昔から水も引かれていたので、広々とした中庭には噴水だってあります。 一見、狭い道と小さい家しかないように思えるフェズの町も、一歩中に入れば広々とした別世界が広がっているのです。

なめし革工房

モロッコで最大の皮なめしの作業場が、フェズのタンネリ・シュワラです。1132年から続くこの施設では、昔と何ひとつ変わらない方法で皮のなめしや染色が行われています。
染料の原料は、ひなげしの花やインディゴ。バブーシュというモロッコ伝統の革のスリッパも、この工房で染めた革でつくられています。最近の若者は、このバブーシュをジーンズに合わせたりして楽しんでいるのだとか。

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