これまでの街歩き

アテネ/ ギリシャ

2009年12月3日(木) 初回放送

語り:余 貴美子

撮影時期:2009年10月

世界地図

地図

場所

ギリシャの首都アテネは人口およそ500万人の大都会。政治、経済、文化の中心地で、古代の神殿が建ち並ぶ岩山・アクロポリスを中心に市街地が広がっています。
アテネは、紀元前5世紀ごろに繁栄を極めた古代ギリシャ文明の中心でもあり、アゴラ(市民広場)で交わされた議論の中からソクラテスやプラトンなどの哲学者を輩出しました。また、この街は古代オリンピック発祥の地でもあります。1896年には近代オリンピックの第一回大会も開催され、さらに2004年には、第28回夏季オリンピックが開催されたことも記憶に新しいところです。

Information

古代のアテネ

アテネ中心に位置し、そのシンボルであるアクロポリス。古代ギリシャが最も栄えていた紀元前5世紀、高さ150mある岩山・アクロポリスの頂には、たくさんの神殿が建てられました。
人々が信じていたのは、ギリシャ神話の神様たち。有名なパルテノン神殿にまつられていたのは、街の守護神・女神アテナ。エレクティオン神殿には、最高神ゼウスや海の神ポセイドンがまつられていました。
当時、そのふもとに暮らしていた人口は、なんと10万人。その街の中心は、アクロポリスのすぐ真下にある、古代アゴラでした。アゴラとは、ギリシャ語で「市場」という意味ですが、古代のアテネでは、アゴラは政治や文化の中心でもありました。ここでは、人々は物の売り買いだけでなく、国家や人生についても熱い議論を戦わせていました。
議論の中で生まれたのが、ギリシャ哲学。皆さんご存じのソクラテスやプラトンも、アテネのアゴラで、通りすがりの人に議論をぶつけていたそうです。

コーヒー占い

アテネの人は、コーヒーが大好きです。みんな小さなカップで飲んでいますが、これはエスプレッソではなく、ギリシャ伝統の『ギリシャコーヒー』。ギリシャコーヒーは、水から煮出します。でも、コーヒーのうまみをじっくりと出すため、直火ではなく熱した砂の中に入れて。
飲み終わった後にはもう一つ、お楽しみが残されてます。カップを逆さにして底にたまった粉を落とし、しばらくしてカップを見ると、コーヒーのあとが不思議な模様になっているのがわかります。この模様を、想像力をよーく働かせて読み解き、占いをするのがギリシャに伝わる「コーヒー占い」。アテネに来たら、ギリシャコーヒーのいろんな楽しみ方を是非お試しあれ。

エヴゾネス(衛兵)

アテネ市内にある「無名戦士の墓」など、重要な場所の警護をする衛兵。軍兵士から選抜された彼らは「エヴゾネス」と呼ばれ、そのユニークな制服には、ギリシャの歴史と誇りが刻みこまれています。400年にわたってオスマン帝国に支配されていたギリシャは、激しい戦いの末、1830年、独立を勝ち取りました。その当時の軍服がこの服装なのです。
戦争当時、靴のつま先には、攻撃用のナイフがついていました。つま先に着いてるかわいいポンポンは、そのカモフラージュのため。また、腰に巻くスカートのような白い布には、400もの細かいプリーツが折り込まれています。これは、オスマン帝国による400年に及ぶ支配の苦しみと屈辱を忘れないためなのです。
任務中、エヴゾネスは、何があっても動くことは許されません。そのため、サポート役の兵士が常にそばについて、任務の妨害を受けることのないよう見守っています。服装の乱れを整えてあげたり、流れ出る汗をふいてあげたり。警護する衛兵を警護する大切な仕事です。

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