これまでの街歩き

バラ色の塔の街
トゥールーズ/ フランス

2017年10月17日(火) 初回放送

語り:永作博美

撮影時期:2017年6月〜7月

世界地図

地図

場所

 トゥールーズはフランス南西部の内陸部にありますが、大西洋岸のボルドーまで250km、地中海までも230kmと、二つの海の中間地点にあり、比較的簡単に海辺へ行くことができます。ミディ運河は、夏場は大西洋と地中海を行き来するプレジャーボートが多く見られます。またスペインとの国境にまたがるピレネー山脈までも車で2時間。冬はスキーを気軽に楽しむことができます。
 また、トゥールーズは航空宇宙産業のヨーロッパにおける一大拠点であり、エアバス社をはじめ多くの関連事業が集中しています。学術の街としても知られ、トゥールーズ・キャピトル大学をはじめ3つの大学、国立民間航空学校をはじめ技術系の高等専門大学(グランゼコール)もいくつかあります。こうしたアクセスのよさや企業、学校の集中によって、トゥールーズはフランスの住みやすい街ランキングの第5位に入っています(2017年調べ)

Information

運河に導かれた飛行機の歴史

 トゥールーズといえば飛行機の街。その歴史は第1次世界大戦中の1917年に、技師のピエール・ジョルジュ・ラテコエールが飛行機を作る工場を設立したことに始まります。終戦後、ラテコエールは航空郵便会社「アエロポスタル」を設立しました。同社のパイロットの一人が「星の王子さま」で知られる作家のサン・テグジュペリです。彼が宿泊した市内のホテルの部屋は、当時そのままに保存されています。
 17世紀に作られたミディ運河は、フライトがすべて有視界飛行だった時代には、地中海へ向かう道しるべとして使われていました。今日、トゥールーズはヨーロッパにおける航空宇宙産業の一大拠点であり、エアバス社をはじめ多くの関連事業が集中しています。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

トゥールーズの人たちが大好きなものといえば、ラグビーとカモ料理。どちらも全国的に有名です。地元生まれのラグビー選手トム君が、大食漢のラガーマンも大満足のおいしいカモ料理3品を紹介してくれました。

フレッシュフォアグラ

ご存じ高級食材のフォアグラ。日本でよく見かけるのは、缶詰や瓶詰めのテリーヌ状のものが多いですが、限りなく生に近い状態で食べるのが地元流。中にある血管を丁寧に取り除くことで、生臭さを抑え、口当たりをよくします。味付けはシンプルに塩、こしょうのみで。

カモの胸肉マグレのソテー プルーンソース添え

マグレは、フォアグラをとった後のカモの胸肉です。そのマグレのソテーを、トゥールーズ流にアレンジした一品。ソースは、トゥールーズの近辺で取れるドライプルーンを刻み、玉ねぎ、ハーブ、ブイヨンとともにさっと煮込んだもの。プルーンの甘酸っぱさが、カモ肉のうまみにとてもよく合います。

カモのフリトン

フリトンとは、カモの皮をカリカリに揚げたものです。カモの皮は、普通食べずに捨ててしまうことが多いのですが、トゥールーズの肉屋さんではこのフリトンをよく見かけます。トゥールーズの人たちは、これをつまみにワインを飲むのが大好き。カモのうまみが凝縮されていて、止まらないおいしさです。

ちょっとより道

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!

ルーメンス 幻の青い染料パステル
語り:木村祐一

 トゥールーズからちょっと足を伸ばして、お勧めのスポットを訪ねます。
 行き先は、トゥールーズの南東60km、バスで1時間ほどのルーメンス村。ここで、かつてヨーロッパ中で使われていたという、青い染料「パステル」を作っているというのです。乗り合わせた人に聞くと、パステルは植物だそう。
 さっそくバスを降りて畑を探します。やっと見つけた畑で、パステル染めの職人さんたちが葉を摘み取っていました。パステルの葉は、ちょっとほうれん草みたい。工房へお邪魔すると、葉の中から色素を取り出す過程を見せてくれました。加工した色素をお湯に溶かすと黄色い液に。そこにシャツを浸します。パステルはルネサンス時代にたくさん作られていましたが、今ではこの工房を含め2軒だけだそうです。仕上がりを見に行くと、シャツはまだ白いまま。水から引き上げると、青ではなく黄色。しかし空気に触れて酸化し、あっという間に青くなりました!幻の染料パステル、もっと知られるようになるといいですね。

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