これまでの街歩き

純白の街
ミハス/ スペイン

2018年9月25日(火) 初回放送

語り:草刈正雄

撮影時期:2018年7月

世界地図

地図

場所

 スペイン南部アンダルシア地方。地中海に面して、白い建物が連なる“純白の街”ミハス。街は、「コスタ・デル・ソル(太陽の海岸)」と呼ばれる海岸沿いの新市街と、山の中腹に点在する旧市街に分かれています。人口は新・旧市街あわせておよそ8万7000。今回歩いた標高400メートルにある山間の旧市街「ミハス・プエブロ」には、およそ8500人が暮らしています。
 街の人々は、毎朝、石畳を掃除して、壁を年に数回白く塗り直し、色とりどりの草花を植えたカラフルな鉢植えで路地を彩ります。ミハスのこの美しい景観は、世界中から訪れる観光客を魅了しています。
 「ミハス・プエブロ」までは、マラガ空港から車で30分。もしくは地中海を横行するフェリーでふもとの港へ、そこからバスに乗り換えて15分程度で到着します。

Information

ミハスの歴史 ~山の上に街をつくった理由~

 地中海に面した山の中腹の小さな街が、なぜ世界中の人々を魅了する観光地となったのか。
 古代より、この辺りは、大理石や水晶など20種類以上もの鉱石が採れました。18世紀、人々は、アフリカなどから襲来する海賊に貴重な鉱物資源を奪われないよう、海から5km離れた山間部に街を築きました。しかし、1950年代に鉱石の産出量は激減、街の財源が乏しくなる中、ミハスの市民と行政は一体となって街おこしに乗り出します。注目したのは、古くより強い日差しと伝染病から街を守るために塗っていた石灰の白い壁。人々は街じゅうの壁を白く塗りました。さらに、彩りあふれる花を街じゅうに飾ることで、景観の美しを際立たせました。こうして、ミハスは“アンダルシアの白い街”として、観光客に広く知られるようになったのです。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

ミハスで人気のフラメンコの踊り子 ラウラさんとラケルさん。彼女たちが情熱的な踊りに乗せて、おすすめのミハスのグルメを紹介します。

ロブスターのスペイン風リゾット

イカやアサリ、ムール貝をはじめとする海の幸がたっぷり入ったトマトソースのリゾット。主役は、地中海で取れた新鮮ロブスター!30分コトコト煮込めば、黄金色に輝く極上リゾットの完成です。パプリカと白ワインの酸味が隠し味。美しい地中海を眺めながら味わいたい逸品です。

なすのフライ 黒蜜がけ

アンダルシア地方で人気の家庭料理。この地域で栽培されたサトウキビからとれる黒砂糖を軽く焦がした濃厚なソースが味の決め手。塩を振ったなすのフライにそのソースをかけて、いただきます。甘さとしょっぱさが、なんとも癖になる味。なすの苦みをとるために、揚げる前になすを一度ミルクに浸すのがポイント。ぜひ、試してみてくださいね。

イベリコ豚 ほほ肉の煮込み

山の上のミハスならではの伝統料理。1頭およそ60kgのイベリコ豚からたった140g程度しかとれない貴重なほほ肉。これをオリーブオイルとニンニクで野菜を炒めた鍋に入れ、白ワイン、ウスターソース、トマトソースでじっくりと煮込んだひと品。トロトロのほほ肉が食欲をそそります。

ちょっとより道

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!

ネルハ洞窟 ~驚異の地下世界!~
語り:濱田マリ

今回は、未知なる地下世界へ!ミハスから東へ車で1時間半の街ネルハ。1959年、地元の5人の青年たちによって偶然発見された全長7kmの巨大洞窟です。現在もなお調査中のため、一般公開されているのは洞窟の入口から800m付近まで。マラガ県が管理運営をしていて、個人でもガイドさんと一緒でも、洞窟内を見学することができます。
 鍾乳石の成長のスピードは、100年でたった1cm。たくさんの鍾乳石が降り注ぐように連なっているこの洞窟が形成された歳月に、ただただ圧倒されます。高さ15mもの巨大鍾乳石は、ブーツの形をしていて、とってもユニーク。そして最大の見どころは、高さ32m、直径18mの世界最大級のひとつに数えられる超巨大鍾乳石。誕生の時期に関しては諸説あるものの、およそ20万年前に成長が始まったと考えられています。
悠久の時を感じるアンダルシアの地下世界、必見です。

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