これまでの街歩き

コーンウォール/ イギリス

2009年9月24日(木) 初回放送

語り:中嶋朋子

撮影時期:2009年6月

街の「救助艇(てい)」

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ニューリンの波止場で子どもたちに出会いました。子どもたちが見学に来ていたのは「救助艇」。オレンジ色の大きなボートは、コーンウォール周辺の海で活躍しています。
この救助艇は一般の人々の寄付によって運営されているのだそうです。以前、救助艇は隣街のマウゼルの近くにありました。1981年、嵐の中で遭難した貨物船を救出している最中に救助艇が転覆し、貨物船の乗員とマウゼルの救助隊員、合わせて16名が犠牲になるという悲しい事故が起こりました。その後、新しい救助艇の基地がニューリンに作られ、ニューリンの住民が救助隊員の使命を担っています。隊員はほとんどがボランティアで、ポケットベルが鳴ると、他の仕事中でも出動するのだとか。コーンウォールの人々は、彼らを誇りに思っています。

街の「カモメ」

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コーンウォールでは、そこら中でカモメの声が聞こえます。飛び交うカモメは、港の風景にアクセントを添えている、と思ったら…「餌をやらないでください」のポスターがあちらこちらに。餌をやると味をしめて、パブのランチや観光客のアイスクリームを狙うようになってしまうのだそう。
コーンウォールの家々の屋根をよく見ると、カモメの巣やヒナの姿があります。コーンウォールの風物詩で、毎年子育てシーズンに見られる光景ですが、
煙突に巣をつくられて往生している住民もいるんだとか。一方、屋根から転がり落ちたヒナの保護活動をしている住民もいるそうです。
旅人は、カモメを見たらかわいいと思っても餌をやらず、そっと見守りましょう。

街の「マウゼル・キャット」

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ニューリンの南の街・マウゼルは、かつては漁業が盛んでしたが、いまはリゾート地としてにぎわっている港町です。
マウゼルを歩くと、やたらと猫に出会います。猫が多い理由を聞くと、この街は「マウゼル・キャット」で有名だからなんだとか。今から100年ほど前のこと。クリスマスが近いというのに嵐が続いて漁ができず、住民は飢えに苦しんでいました。この時、トム・バーコックという漁師が勇敢にも海に出て魚を捕り、7種類の魚のパイを配ってマウゼルを救ったという伝説があるのです。
この伝説をもとに、トムと一緒に漁に出た猫「マウゼル・キャット」の絵本が描かれました。絵本の「マウゼル・キャット」は白と黒の毛並です。マウゼルでは毎年クリスマスになると7種類の魚のパイを焼いて、街を救った英雄に感謝します。

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