「ガウディとサグラダ・ファミリア展」関連番組・イベントの紹介

天才建築家ガウディが設計し、140年以上も建設が続く“未完の世界遺産”サグラダ・ファミリア。コロナ禍に、実に45年ぶりとなる新たな塔「マリアの塔」が完成。そして今、高さ172M、完成すれば世界一高い教会となる「イエスの塔」の建設が、ガウディ没後100年の2026年を目指して進んでいる。塔の内部空間のデザインに挑むのは、日本人彫刻家の外尾悦郎氏。特別な許可を得た４Ｋドローン撮影など、最新の映像技術を駆使して伝える。

スペイン・バルセロナのサグラダ・ファミリア教会。2021年12月、世界中が見守る中で新しい塔が完成した。高さ138メートル・頂上に星を冠した「マリアの塔」だ。コロナ禍で一時は工事を中断しながらもあきらめず建設を続けてきた背景には「困難な時こそ人々のために」というガウディの時代から受け継がれてきた精神があった。人々の大きな希望となったマリアの塔。そこに込められた「平和への願い」を案内人・薬師丸ひろ子さんとひも解く。

発想の源となった作品はスペイン・バルセロナにある世界遺産の聖堂「サグラダ・ファミリア」（アントニ・ガウディ設計）。糸巻きのようなサグラダ・ファミリアの鐘塔。ここに毛糸を巻いたら編み物ができるかもしれない。それぞれが編み針になってカラフルで暖かいマフラーを編もう。町を覆うような大きなストールも編めるかも。時間はかかるけれどあせらない。だってガウディは「神は何も急いでいない」と言ったから。

今月13日から東京国立近代美術館で開催される「ガウディとサグラダ・ファミリア展」。世界初公開となる天使像の模型や、天才建築家・ガウディが残した図面や直筆のノートなど、100点を超える貴重な資料が日本にやってくる。これに先立ち、ＮＨＫは特別な許可を得て、今年完成したばかりの福音書家の塔をドローン撮影。スペイン・バルセロナで今日も建設作業が続く現地の最新状況を交え、展覧会の見どころをご紹介します。

建築家ガウディが残した大きな謎は解けるのか？
およそ140年前から建設が続く未完の世界遺産スペイン・バルセロナのサグラダ・ファミリア教会。2017年10月、教会の最大のシンボル・イエスの塔の建設が始まった。完成すれば、なんと世界で一番高い石の塔(172メートル60階建ての高層ビルに相当)となる。
しかし、ガウディが残した建築資料はスペイン内戦で焼失。イエスの塔の壮大な構想は長年、謎に包まれてきた。
鍵を握るのは、サグラダ・ファミリアの主任彫刻家として、40年前からガウディの残した手がかりを探し、教会を作り続けてきた外尾悦郎そとおえつろうさんだ。NHKでは10年前から外尾さんに密着、制作の現場を記録してきた。さらに近年発見された、6000点を越えるガウディの遺品を独占取材。宝石のように美しいガウディの実験材料からイエスの塔につながるヒントが明らかになった。
また、光の芸術、石の聖書とも称されるサグラダ・ファミリアを４K高精細カメラとドローンで撮影。美しい映像と歴史エンターテインメントをお楽しみ頂く。

６月から東京、滋賀、名古屋で開催される「ガウディとサグラダ・ファミリア展」。日本初公開の模型や直筆のノートなど、建築家アントニ・ガウディの創造の源泉と独創性に迫る注目の展覧会。ゲストと一緒に貴重な展示品に触れながら、天才･奇才の域を越えて“神の建築家”への道を歩むことになったガウディの運命の軌跡をたどるとともに、ＮＨＫが撮りためてきた高精細映像やドローン映像を駆使してサグラダ･ファミリアの建築美をスケール感たっぷりにお伝えする。

【司会】 小野正嗣、柴田祐規子　【出演】 常盤貴子、鳥居徳敏

各界のトップランナーが”今こそ共有したい”を語り尽くす講座番組「NHKアカデミア」。サグラダ・ファミリアの主任彫刻家として活躍する外尾悦郎さんが登壇します。「ガウディの遺志を受け継ぐ建築とは？」「サグラダ・ファミリアの完成はゴールではない？！」その他にも、若い人たちに向けた‟生きるヒント”となるメッセージを、たっぷりと語っていただきます。

ＮＨＫはフランスの制作者と共に、ガウディが晩年を過ごした工房を忠実に再現した４K画質のVR（バーチャル・リアリティー）を国際共同制作しました。
ヘッドセットを装着すると、時は1926年、ガウディの工房へタイムスリップします。
ガウディがサグラダ・ファミリアに託した思いは何だったのか、また彼のインスピレーションの源とは？　およそ15分間の４K画質のVRを通じて、時空を超えたスペシャルな体験をお楽しみいただけます。