これまでの街歩き

閬中/ 中国

2007年9月11日(火) 初回放送

語り:桂 文珍

撮影時期:2007年6月

世界地図

地図

場所

中国、四川省の成都から車で7時間。門の中に良い、という字を書いて閬中(ろうちゅう)。
長江に繋がる大きな河とビル群に挟まれ、4万人が暮らすこの旧市街は、2300年前の秦の時代につくられたといいます。その昔は水運の要衝の地として栄え、省都だった時代もありました。
かつて、かの張飛が愛し、最後を過ごした場所とも言い伝えられています。
瓦屋根がひしめくこの旧市街には、90本もの路地が入り組んでいるため、さながら迷路のようになっています。そういった古くから残る伝統を守ろうと、職人達が屋根瓦や壁を修復している姿を数多く見ることができます。
そしてもう一つ、閬中のお酢は中国四大酢の一つに数えられています。その為、街中では料理以外にも美容と健康にと様々な形で、お酢が活躍しています。

Information

試験場と瓦屋根

古い建物が数多くある閬中の中で最も古いといわれている建物が、街の北にある試験場。
かつて1300年間続いた「科挙」とよばれる国家試験が、この場所で行われていました。その当時から、完璧な形で残されたこの建物は中国の中でも、数少ない貴重な建造物といわれています。そしてこの試験場からもう一つ、この街の伝統が生まれました。
それは中国一の天才を競い、頂点に上り詰めた者だけが被ることを許された帽子。
街の瓦屋根を見てみると、その帽子と同じ形をしているのがわかります。閬中の人々は、自分の子供の合格を願い、この瓦屋根をつくり続けてきたのです。

古代の踊り

閬中の民が古くから守り続けている踊り、バーイーオー。
現在、四川省の文化遺産でもあるこの踊りは、彼らの先祖が狩りをして生きていたころに生まれました。
虎の皮を身にまとい、頭には守り神である蛇を、顔にはケモノのお面をつけ、太鼓を叩きながら獣を威嚇し、虎や狼を追い込みました。
その後、天下をとるための戦でも、この踊りが前線で踊られました。
閬中人の命のリズムであるこの踊りは、闘いが無くなった今でも街の人々によって受け継がれています。

お酢BAR

お酢の街ということもあり、街にはお酢のBARというものがあります。
ここではお酢のジュースからお酢のカクテルまで、お酢を使った飲み物を気軽に楽しむことができます。さまざまな種類があり、それぞれ効果が違うので、その日の気分によって飲み分けるのが閬中流。
こういったBARでは、お酢を飲みながら、お酢の足浴もできるので、恋人や家族でゆっくりとした時間を楽しむことができます。
閬中へ訪れた際は是非、お酢BARへ寄って見てはいかがでしょうか。
心も体もリラックスできますよ。

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