これまでの街歩き

ロードス島/ ギリシャ

2009年12月17日(木) 初回放送

語り:林 隆三

撮影時期:2009年10月

世界地図

地図

場所

エーゲ海の南東部ドデカニサ諸島最大の島がロードス島。その中心都市がロードスで、人口はおよそ6万。かつてこの街を支配した「聖ヨハネ騎士団」が築いた城壁の中にある旧市街は今も中世の風情を残し、まるごとそっくり世界遺産に指定されています。
また、海岸には美しいビーチもあることから、ロードスはギリシャ屈指の観光地でもあります。大通りにはおしゃれなカフェや地元料理のレストラン、土産物屋などが並び、夏場は夜遅くまでにぎわいをみせます。ロードス島は「太陽とバラの島」の別名の通り、気候にも恵まれた風光明美な島なのです。

Information

聖ヨハネ騎士団 

聖ヨハネ騎士団ロードスには、14世紀から16世紀にかけて、フランス、スペイン、ドイツなどヨーロッパの8つの国の騎士たちが集結していました。その目的は、ヨーロッパのキリスト教社会をイスラム勢力から守ること。当時、イスラム教徒を主体とするオスマン帝国が西へ西へと領土を拡大し、地中海の東端に位置するロードス島はキリスト教勢力の最前線だったんです。騎士団は、ロードスの街を石造りの分厚い城壁で取り囲み、オスマン軍の攻撃に備えました。
1522年、オスマン軍が襲来。激しい戦いが始まりました。10万を超えるオスマン軍に対し、守る騎士団側はわずか2千人。5か月に及ぶ戦いの末、ついに城壁を突破され、騎士団は敗れ去りました。戦いの中で多くの騎士が命を落とし、生き残った者も島を追われマルタ島へと移っていったのでした。

ロードスの伝説

ロードス島は、別名「太陽とバラの島」。そう呼ばれる由縁について、おもしろい伝説があります。ギリシャ神話の最高神ゼウスが他の神々に地上の島々を分けてやった時、太陽神ヘリウスはちょうど仕事中で分配に間に合わなかったんだとか。怒るヘリウスに対して、ゼウスは次に生まれる島を与えることを約束します。するとまもなく海から陸地が浮かびあがり、バラをはじめとする花々が咲き乱れる美しい島となりました。太陽神ヘリウスは迷わずこの島ロードスを自分のものにしたのです。だからこの島は「太陽とバラの島」って呼ばれるんですって。
さらにもう一つ、ロードスには不思議な伝説が。紀元前3世紀ごろ、なんと高さ50mもある太陽神ヘリウスの巨像がロードスの港に立っていたんだそうです。50mといえば、アメリカの自由の女神に匹敵する大きさ。その常識を越えた見事な姿から、古代7不思議の一つにも選ばれました。

ロードスのタコ

ロードスのタコロードス名物の食べ物といえばタコ料理。特に、網焼きをしてオリーブオイルをかけただけのシンプルな「ロードス風タコのグリル」は、軟らかく絶品。
その軟らかさには、ある秘密が!漁師さんは、レストランなどに売る前に思いきりタコを岩などにたたきつけるんです。40回ぐらいたたくと、ちょうどいい感じで肉が軟らかくなるんだとか。もっとも、魚屋さんは、地面にたたきつける代わりに洗濯機みたいな機械を使っています。ロードスに来たら、ぜひタコ料理をご賞味あれ!

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