これまでの街歩き

横浜/ 日本

2012年11月27日(火) 初回放送

語り:谷原章介

撮影時期:2012年10月

世界地図

地図

場所

 神奈川県の県庁所在地・横浜市は、人口およそ370万の大都市。江戸時代までは半農半漁の小さな漁村でしたが、1858年、江戸幕府が日米修好通商条約を結んで神奈川を開港することを定め、横浜に外国人居留地を設けたことが、今日の繁栄の始まりとなりました。明治期から貿易港としてにぎわった横浜は、欧米の文化を日本に取り入れる拠点となり、食べ物や工芸品など、さまざまなものの日本発祥の地となりました。
 また、みなとみらい地区は、横浜ランドマークタワーをはじめとする近代的な建物が数多く建設される一方で、赤レンガ倉庫などの古い建物も残されています。このように、新しいものと古いものが見事に融合しているみなとみらいの風景は、1997年に国土交通省の「都市景観百選」に選ばれ、多くの観光客の目を楽しませています。

Information

横浜の歴史

 横浜は江戸時代末期に幕府が港を開いたことから発展しました。現在の関内地区の辺りに外国人の居留地が置かれ、日本人と外国人ができるだけ関わりを持たないよう、周りを川で囲み、そのうえ橋には関所も設けました。“関内”という地名は、“関所の内側”という意味で付けられたものです。今は観光名所となっている中華街も、当時、通訳をした中国人たちが造り上げました。
 そして、横浜で最も有名な公園の一つ、山下公園のある場所は、開港当時、まだ海でした。ここは、大正末期に発生した関東大震災のがれきを埋め立て、その上に造られたのです。震災から復興した横浜をアピールするねらいがあったと言われています。山下公園の中には、童謡で有名な「赤い靴はいてた女の子」の像をはじめ、由緒ある石碑や像がたくさんあります。横浜のあちこちに残っている歴史の跡を探りながら散策するのも、おもしろいですよ。

横浜の工芸品

 横浜には、開港以来の歴史をもつ工芸品が数多くあります。
 まずは洋食器。伝統的なまき絵などの技法を使い、和風の柄を施しています。ところどころに金ぱくを用いた美しい装飾は、海外でも大人気。また、西洋家具が日本で初めて作られたところも、横浜だと言われています。当時、居留地に住んでいた外国人たちが、横浜の馬具職人に家具の修理を依頼したのが始まりだったとか。職人たちは今まで目にしたこともない曲線のある家具を修復するため、試行錯誤しました。海外では機械を使って家具の曲線を削り出していましたが、横浜ではいくつものカンナを使い、優美で繊細な曲線を生み出したのです。
 捺染(なっせん)と呼ばれる染物にも、古い歴史があります。浮世絵に使う版画の技法を使って布に色を付けたもので、一色ずつ色を重ねていった細やかな色の線や濃淡が特徴です。
 日本の伝統技術を生かした横浜の工芸品の数々。そこに生きる職人魂をぜひ、ご堪能ください。

「横浜のグルメ」

 港町横浜では、さまざまなおいしい食べ物が生まれています。中でも特におすすめの3品を、横浜観光親善大使の今井さんがご紹介!
【その1】「牛鍋」。
浅い鉄の鍋で牛肉を煮込む「牛鍋」は、幕末のころに横浜の人が考案したと言われています。外国人が焼いて食べた牛肉を、日本人好みにアレンジしたもので、牛鍋の特徴であるみそとネギは、肉の臭みを消すための工夫だったそうです。冷蔵庫が無い時代のアイデア料理ですね。
【その2】「サンマー麺」。
魚のサンマが入っている麺ではありません!サンマー麺の原型は料理人たちのまかない料理、とろみの付いた肉そばだとか。それを、安くてボリュームのある料理にするために、野菜をたくさん入れて、日本人好みのあっさりした味付けにしたのが、現在のサンマー麺です。今では横浜のソウルフードとなっています。
【その3】「パンケーキ」。
最後は、毎日お店に長い行列ができている、女性に大人気のパンケーキ。ハワイからやって来ました。ふわふわのパンケーキに、ホイップクリームが驚くほど山盛りで乗っています。でも意外とあっさりした甘さなので、ペロッと食べられちゃうんだとか。ディナータイムには、日本オリジナルのトッピングを加えたパンケーキを、お酒と一緒に楽しめます。ぜひ、お試しくださいね!

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