アテネ／ ギリシャ
2009年12月3日（木） 初回放送
語り：余 貴美子
撮影時期：2009年10月
街の「野良犬」
アクロポリスのふもと、北東の方角にあるシンタグマ広場からエルムー通りへ歩いていく途中、いたるところで野良犬を見かけました。
道の真ん中でのんびりと寝そべっていても、噴水の水を飲んでいても、道行く人たちは一向に気にしません。アテネでは、野良犬をいったん保護したら、
まず予防接種や病気の治療をし、引取先を探します。引取先が見つからない場合、一度捕獲したという目印の首輪をつけ、また街へ戻します。
お店の入口のマットで寝ていても追い立てられず、逆にお客や店員の方がよけてくれる光景を見かけました。犬たちにとって、アテネは安心して暮らせる街なんでしょうね。
街の「小鳥の鳴く肉屋さん」
繁華街を一歩離れ静かな通りを歩いていると、どこからか鳥の鳴き声が。声の主は、お肉屋さんの軒先で飼われているカナリアでした。
「通りがかる人に楽しんでもらいたくて表に出している」と店のおじさん。つがいにして卵を産ませ、ヒナを近所の人たちや友達にも分けているそうです。
おじさんご自慢のカナリアは、頭が黄色くて「帽子」をかぶっているように見える子で、鳴き声コンテストで賞をもらったこともあるそう。
鶏肉をはじめ、豚、牛、シカ、イノシシ、ウサギなどのいろんなお肉を扱うお店ですが、カナリアたちの声に誘われて、けっこう繁盛してるのかもしれませんね。
街の「ゼウス神殿」
繁華街の通りの突き当たりに、立派な門を見つけました。近づいてみると、さらにその向こうに巨大な神殿が。これは、ギリシャ神話の最高神ゼウスをまつった「ゼウス神殿」。かつては高さ２７ｍもある、古代ギリシャ最大級の神殿だったんだそうです。
現在は１５本の柱が残っているだけですが、その高さや広さからも、当時の壮大さが伺い知れます。神殿の向こうにはアクロポリスも見えて、なんとも見事な景色でした。
また、すぐそばには、１９世紀に激しい嵐によって倒れてしまったという柱も、倒れたままの姿で残されていました。