これまでの街歩き

エクサン・プロバンス/ フランス

2010年8月22日(日) 初回放送

語り:田畑智子

撮影時期:2010年6月

街の「噴水男」

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ミラボー通りの南側の地区を歩いていると、噴水を発見。水の吹き出し口はどうやら4匹の「魚」のようです。ウロコまできちんと彫られていて、とても立派。ここで、噴水の掃除をしているおじさんに出会いました。
話を聞くと、おじさんはこの噴水のほかにもなんと45か所の噴水を一人で掃除しているそう。もう10年以上も続けていて、テキパキとした仕事ぶりはまさに噴水掃除のエキスパート。街の人たちからは「噴水男」と呼ばれていると誇らしげに話してくれました。
噴水男さんは「エクサン・プロバンスは地下水が豊富で、いろんな所から水がわき出している『水の街』だからね」と教えてくれました。ちなみに、「4匹の魚」だと思っていた彫刻は実は「イルカ」。ウロコがある理由は、この噴水が作られた17世紀にはイルカが魚であると考えられていたからだそうです。

街の「画家」

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街の北側にある広場の入口で、画家のおじいさんに出会いました。リヤカーの上には大小さまざまな絵が乗せられ、後ろにはキャンバスサイズの絵もかかっています。欲しい人がいれば売るのだそうです。おじいさんが一つ一つ描き上げた絵のほとんどがエクサン・プロバンスの街並みが題材なのだとか。確かに、見覚えのある噴水や黄色い建物が描かれています。
「ここが私のアトリエだ」と話すおじいさんは、この場所がかなりのお気に入りで、なんと34年間もここで絵を描いているそうです。あんまり長くいるせいで、自分が「街の風景の一部」になりかけているというおじいさん、最後にこんなアドバイスをくれました。
「ゆっくり歩くことだね。時間を忘れてね」

街の「自転車修理屋さん」

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街をゆっくり歩いていると、ガレージの奥で作業をしているおじいさんを発見しました。
「アリババの洞くつに寄ってきなさい」と案内されたガレージの奥には、山のように積まれたたくさんの自転車!古くなった自転車を修理して売っているのだそうです。もうすぐ1000台目が売れる、とうれしそうに教えてくれました。品ぞろえもなかなか豊富で、補助輪がついた子ども用の自転車や女性用の自転車、マウンテンバイクなども。
おじいさん自身も、どこへ行くにも絶対に自転車を使うんだとか。81歳ながら、セザンヌが絵のモチーフとして何度も描いたことで知られるサント・ビクトワール山まで自転車で行ってしまうんだそうです。
自転車を1台1台、丁寧に手作業で直していくおじいさんもある意味、芸術家のようでした。

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