これまでの街歩き

サバンナ/ アメリカ

2015年7月7日(火) 初回放送

語り:牧瀬里穂

撮影時期:2015年4月

街の「仲買人小屋の店主」

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 石畳の続く川沿いの通りを歩いていると、一段高いところに橋がかかっているのを発見。レンガづくりの急な階段をのぼり、橋の高さに上がってみると、どうやら街の中心は、川から見て建物の3階くらいの高さにあるようです。
 見回すと星条旗をお店の軒先に飾りつけているおばさんが。聞けば、お店はお土産物屋さんで、「仲買人小屋」という名前だそう。「仲買人」という不思議な名前は、昔、この辺りが綿花の輸出港だった時代の名残なんだそう。この辺りの建物は、3、4階が街へつながる仲買人の事務所で、1、2階は川沿いの港へつながる倉庫だったんだとか。急な階段も、建物の3階をつなぐ橋も、当時のままの作りなんですって。
 「急な階段はゆっくり上ってね。サバンナの別名はスローバンナ、私たちはゆっくりのんびり生きているのよ。」と、サバンナの住民のポリシーを教えてもらいました。

街の「鍵職人と孫」

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 街を歩いていると、不思議な形をした黒い看板が。ショーウィンドウには金属製のごちゃごちゃしたものが置かれています。
 何のお店かとのぞいてみると、「ウィスキー以外のキーなら何でも作るよ、壊れた心以外なら何でも直すよ」と、店主のおじいさん。「先代の口上でね、100年も前の話だよ」と、得意げ。こちらは老舗の鍵屋さんのようです。
 サバンナには歴史的な家が多く、そのため、スケルトンキーなどの年代物の鍵が今でも多く使われているんだそう。もちろん現代的な鍵も作っているというおじいさん。お話している間に、お客さんから注文を受けたスペアキーをあっという間に作ってしまいました。そのお手並みは「弾丸より速い」なんて、ご満悦。
 一家は代々鍵職人。後継ぎには、ちょっとシャイで無口なお孫さんがなるんだとか。お孫さんも、おじいさんの技術と、シャレた口上を引き継いでいくんでしょうね。

街の「豪邸に住む収集家の夫婦」

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 街路樹の緑がまぶしい閑静な住宅街を歩いて行くと、壁の装飾がひときわ目をひく豪邸が。玄関先には白いスーツのおじいさんがくつろいでいます。聞けば、このお宅、南北戦争直後の1869年に建てられた「第二帝政期バロック様式」の建物なんだとか。
 中を案内してあげるというので、お邪魔すると、家も豪華なら、調度品も立派!絵画に彫刻、膨大なコレクションです。おじいさん、自他ともに認める収集家だそうで、中でも自慢の一品は、1734年に描かれたサバンナの鳥観図。世界にたった12枚しかない貴重品なんだとか。
 実は奥さんも収集癖をうつされて、収集家になっちゃったんだとか。次に何を集めるか、二人で相談しているところなんですって。
 「共有する思いがあることはいいことだよ」と語るご夫婦。街にゆかりのある物を二人で収集しながら、サバンナの歴史と共に暮らしていらっしゃいました。

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