白壁とラバのワンダーランド
イドラ島／
ギリシャ
2017年6月20日（火） 初回放送
語り：田畑智子
撮影時期：2017年3月
街の「ラバ」
イドラの港に到着し歩き始めると、さっそく出迎えてくれたのは、馬？ …と思ったら、違うよ「ラバ」だよ、とラバ使いさんから教えてもらいました。ラバはロバと馬を交配させて生まれた家畜。力持ちで、ロバより耳が小さく、ちなみに馬はもっともっと耳が小さいのだそう。坂と階段だらけで、車が入れない街だから、ラバが活躍しているんですね。週に2，3便着く貨物船から荷物を運ぶのもラバ。建材から大きなレモンの木まで器用に運んでいきます。馬はトレッキングなどの観光用、ロバは家庭用にお年寄りが飼っていることが多いそうです。
街の「ダウンヒル」
街外れ、山の近くまでやってくると、坂道を次々と駆け降りてくる若者たちに出会いました。…急いでいるのかな？、と聞くと、実はこれ、年に一度開かれるイドラ名物のトレイル大会に向けての練習なんだとか。自然の中を走るイドラのトレイルはギリシャでも有名な美しいコース。中でもひたすら下り続ける「ダウンヒル」は、上級者に大人気。駆け下りるって、足に負荷がかかってけっこうハードなのだそうです。「たいへんだけれど、風景がきれいでとても楽しいよ」と言って、また走って行きました。近所のご老人も若者たちを応援していて、島をあげたイベントなんですね。みんな楽しんでいるんだなあ。こっちも楽しまなくっちゃ。
街の「風車小屋」
急な階段の途中で、スーパーマーケットの宅配ラバに出会いました。200段先のお得意さんに届け物なのだそうです。階段のてっぺん、真っ白な風車小屋に到着。
住んでいるのは、品良く歳を重ねた、美しい女性、マリアさん。ニューヨークのトップモデルだった30年前、イドラに一目ぼれして風車小屋を購入。二人のお子さんとイドラに移住し、現在は犬2匹、猫7匹、ロバ2匹と暮らしています。ロバは買い物の荷物を運ぶために飼い始めたけれど、まもなく無料宅配サービスが始まり、大ショック。でも今では家族同然なのよ、と笑って話してくれました。港を見下ろすテラスからの眺めは息を飲むほど美しく、車のある世界を忘れてしまいそうでした。