これまでの街歩き

緑いっぱい運河の街
ハーレム/ オランダ

2017年8月22日(火) 初回放送

語り:鈴木 杏

撮影時期:2017年5月下旬~6月上旬

街の「風車守り」

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 スパールネ川のほとりに一基の風車がたたずんでいます。その羽根によじ登り、何やら仕事をしているおじいさんと出会います。その方は“風車守り”。この風車はデ・アデリアーン風車といい、1778年に建てられました。セメントの原料を砕いたり、嗅ぎタバコの原料となる葉の粉砕、穀物の製粉とさまざまな形でハーレムを支えてきました。風車は1932年の火災で一度焼失。現在立っている風車は市民の手によって2002年に再建されたものです。今は内部が公開され、自由に見学することができます。
 この風車の維持・管理を行っているのが、風車守りのおじいさん。彼の一族は風車守りの家系で、先祖代々風車を維持管理してきました。
 おじいさんのオススメの時間帯は夕暮れ近く。「この時間帯は風が一定で、風車の羽根も穏やかに一定の速度で回ります」とのこと。風車は今もハーレムの人々に愛され続けています。

街の「ホッフェ」

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 レンガ塀の間に見つけた由緒ありげな門。その先に続く狭い小道を進んでいくと、すてきな庭園つきの集合住宅にたどり着きました。ここはホッフェという女性だけのための施設。多くの高齢女性が暮らしています。14世紀の富豪が、夫を亡くした女性や、収入の無い貧しい女性が老後も安心して暮らせるように建てたものとか。ハーレム市内には22のホッフェがあり、オランダ各地にも中世に様々なホッフェが建てられました。
 ここに住むおばあさんは「ここで暮らして一番いいことは、絶対にひとりぼっちにならないこと。ここでは、お互いのことをすべて知っています。一緒に食事をしますし、夏やクリスマスにパーティをやる。ここに住んで本当によかった。」と笑顔で語ってくれました。

街の「ボートハウス」

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 夕暮れ時、運河沿いを歩いていたら、ボートハウスで暮らす老夫婦に出会いました。ボートハウスの中を訪ねてみると、すてきな暮しぶりがうかがえます。1階はリビングと水上テラス。地下ならぬ水面下1階はベッドルーム、お風呂もあるし電気も通っています。陸の上に立っている家と違いはありません。元々ボートハウスとは、運河が中心部を通っている都市で、家を建てる土地が不足したときの解決策として考えられたものでした。美しい運河の上で暮らすことができるため人気が高く、今では陸上の宅地よりも人気が高い物件になっているとか。
 奥さんも家のテラスから見える運河の景色が大のお気に入り。運河にかかる虹や雲の動きに毎日心を奪われているんだそうです。運河の街だからこそ味わえるぜいたくです。

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