これまでの街歩き

ビクトリア/ カナダ

2006年9月26日(火) 初回放送

語り:桂 文珍

撮影時期:2006年7月

世界地図

地図

場所

カナダ、西海岸のバンクーバー島南端に位置するビクトリア。ブリティッシュ・コロンビア州の州都です。面積は約540k㎡。太平洋からの暖かい風の為、カナダで最も温暖な気候に恵まれています。
夏の最高気温は平均で22度、冬も滅多に雪の降らない過ごしやすい気候は、植物の生育にも最適な為、「シティ・オブ・ガーデン(庭園都市)」と呼ばれるほど、街中が花で飾られています。
約30万人の人々が暮らすこの街の歴史は、1843年にハドソン・ベイ社が西部地方の毛皮貿易の拠点として要塞を築いたことから始まります。以来ここは、毛皮貿易の商用港、そしてイギリス海軍の前線基地として発展しました。
1849年にイギリス領植民地となり、ビクトリア女王にちなんで、街の名を「ビクトリア」としました。
その後、1871年にイギリスから独立しカナダ連邦に加盟しました。今でもイギリスの面影を色濃く残し、イギリスよりもイギリスらしい街と呼ばれ、訪れる観光客を魅了し続けています。

Information

シティ・オブ・ガーデン

ビクトリアは「シティ・オブ・ガーデン」つまり、庭園都市として有名な街。
中でもとびきり美しいお庭はここ。郊外にあるブッチャートガーデンです。6万坪を越える敷地の中で、もっとも有名なのが「沈める庭」と呼ばれる庭園です。窪んだ地形の底にあるので、そう呼ばれています。石灰岩を採掘する採石場だったのを、オーナー夫人が、岩肌が露出した景観に心を痛め、庭園にしたんだそうです。
さて、次もビクトリアのシンボル。ハンギング・バスケットです。バスケットに色とりどりのお花を植えた、ぼんぼりのような形のもので、街のいたる所でみかけます。ハンギング・バスケットはイギリスで生まれた園芸手法で、1937年、市制75周年を記念してみんなで街中を飾ったのがことの始まりなんです。
街の中だけじゃありません。ビクトリアでは、どのお宅にもよく手入れされた裏庭があり、家族のための安らぎの場所になっているそうなので、遊びに来たときには、是非、お庭めぐりを楽しんでみてくださいね。

ゴーストツアー

ビクトリアにいくつかある、いわくつきの場所をガイドの案内で巡りながら、ビクトリアの歴史に触れることのできる、“ゴーストツアー”が、旅行客に人気を呼んでいます。
何人ものドライバーが運転中に全く知らない場所へワープしたと証言する道路や、泣きじゃくる女性の幽霊が度々目撃されているという公園の岩山など。この岩山は、昔、先住民族の人たちの墓場だったといいます。何が起きても不思議じゃないですよね・・。
そして最後は、古い裁判所。ここでは、夜になるとこんな音が響きわたるんです。
「コン・コン・コン」
ゴールドラッシュの時代。ビクトリアには、金の採掘許可書を発行する役所が置かれていたため、一攫千金を企てる男たちで溢れ返っていたそうなんです。
喧嘩や盗みは日常茶飯事。業を煮やした裁判官は、いつもこう言い続けました。“判決は、死刑”。  夜になると、その裁判が今も続いているという話。どうです、皆さんも傍聴して行きますか?

アンティーク街

ビクトリアには北米でも指折りの規模を誇る骨董街があります。
仕事をリタイヤした人々が好んで移り住み、その地で一生を終えることが多い街なので、人々は、身の回りの物をなるべく少なくしてシンプルに暮らすために、こうしたアンティークショップに持ち物を売る人がたくさんいるんだそうです。
また、古い家が多いので、新品の家具や調度品よりも、骨董品の需要性が高いこともあり、ビクトリアの人にとって骨董品は欠かせない存在なんです。
お店のスタイルも色々。骨董品を売りたい人に陳列ケースをレンタルし、商品が売れたら12パーセントをお店に支払う、というやり方のお店や、150年前に建てられた古い家の中に品物を展示し販売するお店など、あの手この手で骨董品が売られているんです。オークション形式で品物を売るお店では、10ドル程度で落札できる物もあって誰でも参加できるから、雰囲気を味わうだけでもきっと楽しいはず。
旅のお土産選びに、のぞいてみてはいかがですか?

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