これまでの街歩き

杭州/ 中国

2006年10月24日(火) 初回放送

語り:矢崎 滋

撮影時期:2006年9月

世界地図

地図

場所

上海から南西に200kmほどの距離にある杭州は、浙江省の省都です。人口は約660万。
杭州には、中国で最も美しい湖と呼ばれる西湖があります。湖の名は、絶世の美女にちなんで付けられたといわれています。女性の名は西施(せいし)。二千数百年前、呉の国と越の国が争い、この地で生まれた西施が呉の王を色におぼれさせたとか。
杭州は、かつて南宋の都としても栄え、13世紀末には人口90万の世界有数の都市となり印刷技術、羅針盤など先端技術も発展しました。この地を訪れたマルコポーロが、『世界で最も美しく、最も華やかな街』と讃えたそうです。
現在、杭州には、その歴史や西湖の美しさを感じようと、中国国内はもちろん、海外からも年間150万人が訪れています。

Information

篆刻(てんこく)芸術

石や木に文字などを刻む芸術を篆刻芸術といいます。杭州は、その篆刻芸術が高められたところです。
杭州には、西湖の美しさにひかれた、詩人、画家、そして書家など様々な芸術家が集まりました。始皇帝の時代から2200年の歴史のなかで重要な書道家百人のうち20人は杭州で西湖を眺め暮らしたのです。そのため石に文字を刻む芸術、篆刻芸術が発展していったというわけです。
飾りの部分の龍や虎などの精緻(せいち)な彫刻、小さな文字の世界に込められた繊細さ、あるいは勇猛さ…。
杭州を訪ねる機会があれば、一度目にされるのも良いかも知れません。

杭州名物・龍井茶(ロンジンチャ)

杭州は、緑茶である龍井茶の名産地として有名です。お店の人に、おいしいお茶にするコツを教えてもらいました。先ず茶葉を大きな釜で炒ります。釜の温度は百度の熱さとか。その釜で、茶葉を丹念に混ぜます。手で混ぜるのですが、慣れているから熱さも平気だそうです。こうすると、本来の味が出るそうです。
そしてお茶を入れるのですが、なんと言っても見ものは茶芸。お店の人は幸せと財産を招くスタイル、お茶の音に耳を傾けるスタイル、いつまでも家族が一緒にいられますようにと願いをこめたスタイルなど、様々な茶芸を見せてくれました。

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