これまでの街歩き

ニューヨーク ブルックリン/ アメリカ

2007年6月12日(火) 初回放送

語り:上川隆也

撮影時期:2007年5月

世界地図

地図

場所

ニューヨークのマンハッタン島の東に位置するブルックリンは、行政的には、ニューヨーク市の5つの区のうちの一つで、人口はおよそ250万人。もともと17世紀に入植したオランダ人の町を中心に発展してきました。
マンハッタンとつなぐブルックリンブリッジの周辺は、高級な住宅街として知られ、そこから南に下ったキャロルガーデン地区は、庶民的で明るく、住宅街と商店街がマッチした家族向けの街です。
一方、北部のウィリアムズバーグやグリーンポイントは若者たちに人気の場所で、アートやファッションなど流行に敏感な人々が多く集まっています。ブルックリンは、昔から移民に対して理解の深い街で、今でも多くの国の人々が暮らし、多様な文化が花開きました。
近年は、マンハッタンから移住する人も増え、ブルックリンは、ニューヨークで今一番注目される、エネルギッシュな街です。

Information

ブルックリンブリッジ

マンハッタンとブルックリンをつなぐ、言わずと知れたニューヨークの顔。
ニューヨークで一番古いつり橋で、全長1834m、1883年に14年の歳月をかけて完成しました。設計者のジョン・ローブリングは、建築が始まる前にけがをして破傷風で死去し、その後を息子のワシントンが引き継いだのですが、彼も病気でダウン。最終的には、ワシントンの妻エミリが、病床の夫の指示を現場に伝え、ようやく完成しました。まさに、家族の汗と涙の結晶です。
花こう岩で出来たタワーは、完成当時、ニューヨークで一番高い建築物でした。巨大な橋を支えるために力学的に優れていただけでなく、そのエレガントなアーチの姿は、まさに芸術的な建築物と賞賛され、今でもニューヨーカーたちの自慢の橋となっています。
そしてタワーとタワーを結ぶ、ワイヤーを何本も束ねて作られたケーブルは、完成当時から取り替えることなく、この橋を支え続けていて、この橋の完成度の高さをうかがい知ることができます。

ウォータータンク

マンハッタンをはじめ、ブルックリン、クィーンズ、ブロンクス・・・どこにいっても、ビルの屋上を見上げると、決まって同じような形をしたウォータータンクを見ることが出来ます。
このウォータータンク、ほとんどが木製です。丸い円筒形で、三角の屋根をのっけたなんとも可愛い形なんです。なぜ、木製なのかというと、寒暖の差が激しいニューヨークでは、金属やプラスチックだと壊れやすいんだとか。木製が一番長持ちするんだそうです。
確かにこのウォータータンク、1800年代の終わり頃から、その姿を変えることなく、ずっとニューヨーカーの喉の渇きを癒してきました。まさに完成度が高い、伝統の形なんです。ちなみに、木は杉を使用しています。さらに木製のほうが、水もおいしいんだそうです。ニューヨークは、もともと水道水がおいしいことで有名ですが、その水をさらにおいしく飲むことが出来る。職人たちが手作業で作るウォータータンク。ニューヨークにお越しの際は、ぜひ探してみてください。

ブルックリンビール

ブルックリンといえば、ビール!
ブルックリンには、もともと、ビールの醸造所がたくさんありました。1800年代、ニューヨークにはおよそ100軒の醸造所があって、そのうち48軒がブルックリンにあったんです。
ではなぜブルックリンがビールの本場だったのか?
それは、水がよかったから。当時、ブルックリンや隣のクィーンズは、きれいな川に恵まれ、ビール作りにはうってつけの場所でした。そして、ブルックリンは、もともとヨーロッパからの移民たちが好んで居住した土地で、ビール好きのドイツ人がちょうどこの土地に目をつけたのが始まりでした。しかし、1920年、アメリカ政府による禁酒法によってビール作りは禁止され、醸造所は閉鎖に追い込まれます。ソーダ水の生産などで食いつないでいましたが、結局、その全てが消滅してしまいました。
しかし、ビール好きのブルックリン子は、黙っていませんでした。
1987年、ついに地元の青年によってブルックリンビールは復活します。ウィリアムズバーグにある現在のビール醸造所には、伝統のブルックリンビールの味を確かめようというビール好きがたくさん集まってきます。

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