これまでの街歩き

パペーテ/ タヒチ

2007年11月27日(火) 初回放送

語り:松田洋治

撮影時期:2007年11月

世界地図

地図

場所

タヒチの呼称で知られる島々、正式名称はフランス領ポリネシア。100以上の島からなり、陸地面積にすると埼玉県ほどの大きさの地域です。タヒチ島は200年前から世界のリゾート地として知られ、最後の楽園と呼ばれています。
南太平洋の小島に人々が暮らし始めたのは、紀元前3~4世紀。東南アジアから人々が移り住んだと言われています。やがて16世紀になると、ヨーロッパ人がこの地域に進出し、植民地化が進んでいきました。そして1957年の住民投票で独立よりもフランスの海外領土となることを選び、現在に至っています。
パペーテはこの地域の都として、にぎわいを見せており、ポリネシア系タヒチ人がおよそ80%、フランス系ヨーロッパ人が10%、残りの10%が中国系で、人口は2万6千ほど。年間の平均気温は25度前後と温暖で、多くの観光客を集めています。

Information

海のピクニック

天気の良い週末になると、地元の人は海へピクニックに出かけます。
ボート遊びや水遊びをするのではなく、水深が腰ほどの浅い海で、足の高い特製のバーベキューセットを立て、宴(うたげ)を催すのです。サンゴ礁に囲まれた島ならではの過ごし方です。
透明度の高い美しい海の中で、友人たちと食事やビールを楽しむ、まさに楽園の休日です。

タヒチのサシミ

海に囲まれたタヒチは、日本と同様、魚を日常的に食べてきました。タヒチ人もサシミが大好きなんです。
タヒチの位置する南太平洋は良好なマグロの漁場でもあります。近海もののマグロを、ここでは、しょうゆではなく、ソースをつけて食べます。ウスターソースとマスタードをベースにしたタヒチアンソース、これが結構マグロにあうんだとか。また、ココナッツミルクであえた食べ方も伝統的な食べ方。マイルドな味わいが口の中に広がります。「サシミ」という言葉もタヒチでは普段から使われています。
100年ほど前、日本人労働者が入植したときから定着したのだそうです。

ゴーギャンの失望と失われた楽園

後期印象派の巨匠、ポール・ゴーギャンは晩年のある時期をタヒチで過ごしました。彼は“最後の楽園”とうたわれたタヒチを1891年に訪れます。彼は、人間本来の野性、温暖な環境の中で日々をおう歌する人たちに出会いたかったのです。
しかし当時、タヒチでは宣教師によるキリスト教化が進み、肌を露出することは悪とされ、常夏の生活の中でも長袖を着ていました。それまでの宗教はもちろん、歌や踊りも禁止され、すでにゴーギャンが夢見た楽園は崩壊していたのです。
ゴーギャンは彼の追い求めるものに出会うため、さらなる遠隔地の島へと渡っていきます。

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