これまでの街歩き

ウマワカ/ アルゼンチン

2008年3月25日(火) 初回放送

語り:中嶋朋子

撮影時期:2008年1月

世界地図

地図

場所

アルゼンチン北端に位置するフフイ州にあるウマワカ渓谷。“南米のグランドキャニオン”といわれ、見渡す限り荒涼とした山々が連なっています。山肌は鉱物の色で、緑や赤の不思議なグラデーションを織りなしています。その中に点在する町や村では、昔ながらのアンデスの伝統や文化が受け継がれています。
ウマワカ渓谷内で一番大きな街が「ウマワカ」。街は、標高2940メートル、人口1万2000の街。石畳の道にアドベ(日干しレンガ)作りの建築物の並ぶのどかな美しい街であり、歴史的な教会などがあります。

Information

サボテン

ウマワカ渓谷付近では、かつて木がなく、人々は家具や建築の材料としてサボテンを使うようになりました。サボテンは様々な気候に耐えられ丈夫なため、屋根に使うと冬は暖かく、夏は涼しいそうです。サボテンが成長するのには500年、枯れるのには800年かかると言われています。枯れたサボテンからランプシェードや小物入れなど様々な商品が作られています。
またサボテンは街の人々の生活にも欠かせないものとなっています。果物のように食べたり、サボテンのとげを刺しゅう針やつまようじにも使っているんですよ。

ピルティ・ポコと大地の神

街の中心にあるモニュメント。
1950年に作られたこのモニュメントにはウマワカ族の最後のリーダー、ピルティ・ポコが祭られています。ピルティ・ポコは、生まれながらの戦士と言われ、人々の信頼が厚かったといいます。スペイン人たちには、「悪魔」と恐れられていました。
しかしスペイン人に 捕えられ、幽閉中、1593年に殺されてしまいました。統率力と威厳のある、ウマワカ族最後のリーダーとして今も街の人々に尊敬されています。
また街の人々にとってもう一つ大切なものが、大地の母“パチャママ”です。母なる大地の神へ感謝を忘れず昔からの習慣を守り“パチャママ”に敬意を払って生活しています。街の中心には“パチャママ”を祭る小石の山があります。

伝統の健康法

ウマワカでは昔から、植物を使った健康法が盛んです。よく使用されるのがチュリキという木。この木の幹を燃やして出た樹液を顔に塗ると、シミ防止になるそうです。もう一つ、よく使用されているのがモージュという草です。 モージュを鍋にいれ、ぐつぐつ煮ると蒸気が出ます。この蒸気を吸うとのどにやさしく効き、風邪知らずになるそうです。ウマワカ族の知恵として、自然を大切にしているんです。

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