これまでの街歩き

バレンシア/ スペイン

2008年5月22日(木) 初回放送

語り:桂 文珍

撮影時期:2008年3月

世界地図

地図

場所

バレンシアはスペインの東部、地中海に面し、マドリード、バルセロナに次ぐ第三の都市です。3県からなるバレンシア州の州都で、人口約80万。
気候は一年中温暖で、水と陽の光と緑に恵まれた豊かな土地です。歴史的にも古く、紀元前に古代ローマ人によって建設されました。8世紀にイスラム教徒の支配下に置かれた時、城壁が築かれました。その城壁に囲まれた部分が、いわゆる旧市街です。
今、バレンシアは芸術科学都市の建設により、旧市街の古い顔と芸術科学都市の新しい顔を持つ街として、スペインで最も注目されている都市の一つです。

Information

製本店

ホセ・ジョレンズさんは、街の製本屋さん。ですがこの方、ただ者ではありません。スペイン王国、バチカン司教などから注文が来るほど腕の立つ職人さんなのです。美しい本、ユニークな本、見ても飽きない本など、顧客の要求に応じ、卓越した技術で立派な本を作ります。
30年前までは5軒ほどあった製本店ですが、バレンシアでは現在、ホセさんの工房1軒になってしまいました。でも、120年の歴史のある工房の灯りを守り続けていくとホセさんは語ってくれました。

パエリヤ

日本でもおなじみの「パエリヤ」は、バレンシアが発祥の米料理です。本来は農民料理で、身近な動物や野菜を食材にしました。野うさぎ、鶏、カタツムリ、そして野菜です。
本来のパエリヤは、①うさぎの肉は必ず入れる、②ガスではなく薪(まき)を使う、③オコゲのないパエリヤは、パエリヤとは言えない、④取り皿を使わず、直接、お鍋から木のスプーンで食べる、というものです。祭日や休日に家族や気の合った友人たちとわいわいがやがや言って食べる料理だそうです。

芸術科学都市

バレンシアに大きな恵みをもたらしてきたトゥーリャ川が、大洪水を起こしたのは1957年。死者100人を超える大災害となりました。その後、トゥーリャ川をう回させ、水が流れていた広大な地域に公園や遊歩道などを作るとともに、芸術科学都市の建設が始まったのです。
プラネタリウム、ソフィア王妃芸術宮殿、科学博物館はその斬新なデザインで高い評価を受け、水族館はスペインを代表する施設のひとつとなりました。また、広大な公園は、運動、散歩、デートコースとして市民たちの憩いの場となっています。今、バレンシアは芸術科学都市の建設により、旧市街の古い顔と芸術科学都市の新しい顔を持つ街として、ヨーロッパ中から注目を集めています。

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