これまでの街歩き

レーゲンスブルク/ ドイツ

2008年9月11日(木) 初回放送

語り:田畑 智子

撮影時期:2008年7月

世界地図

地図

場所

レーゲンスブルクは、ドイツ南西のオーストリア国境に近い、人口15万ほどのこじんまりとした街。ドナウ川のすぐ横に築かれたため、塩の積み下ろしなど交易の拠点として栄えました。
第二次世界大戦でも破壊されず、中世のままの街並みが残っています。
2006年には、旧市街とその周辺がユネスコの世界遺産に登録されました。

Information

ドイツ最古の石橋

ドナウ川に架かる、12世紀に完成したドイツで一番古い石橋。
中央には「橋の小人」と呼ばれる石像があり、面白い言い伝えがあります。旧市街にそびえ立つ大聖堂を向いて、にらみをきかすこの像は、教会権力への抵抗のシンボルだといわれています。当時は教会が大きな力を持っており、司教が街の実権を握ろうとしていました。もともと自治独立の街であったレーゲンスブルクの市民は、この「橋の小人」を石橋の中央に設置し、いつでも教会を監視するという意思を示したのでした。

街の雀たち

旧市街の大聖堂には、専属の少年聖歌隊が存在します。その名もドームシュパッツェン「大聖堂のスズメたち」。彼らはウィーンの少年合唱団と並んで世界的に有名な合唱団で、ヨーロッパはもとより、様々な国々で歌声を披露してきました。日本でも過去に6回コンサートを開いているのです。
合唱団になるには、専用のギムナジウム(学校)に入学し、音楽の才能を磨かなければなりません。ギムナジウムとは、中学と高校をあわせたようなドイツの上級学校で、ここでは声楽のレッスンのほかにも2種類の楽器のレッスンを受けることができます。合唱団には500名のメンバーがいますが、海外公演にいけるような子たちはトップの90名。 スズメたちは今日も練習に励んでいるのです。

街の蒸気船

ドナウ川沿いに、古い蒸気船が係留されていました。70年以上にわたってドナウ川で活躍した外輪船ルートホフです。今ではドナウ川の船の歴史博物館として第二の人生を送っています。
ドナウ川の水運は、1900年代初頭まではイカダやボートが主役でした。しかし蒸気船が登場すると、一気に運ぶ荷物の量も飛躍的に増え、ますます重要なものとなりました。そして更に1992年には、水運の歴史に革命的な出来事がおきます。マインドナウ運河の完成です。
ヨーロッパの南北を走るライン川と、東西を流れるマイン川、ドナウ川が、運河で一つにつながったのです。これにより、黒海から北海までを結ぶ、ヨーロッパの水運の大動脈が完成しました。ドナウは国際河川として、ますます重要な役割を担うことになったのです。

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