これまでの街歩き

ハンブルク/ ドイツ

2009年5月28日(木) 初回放送

語り:矢崎 滋

撮影時期:2009年4月

世界地図

地図

場所

ハンブルクは、ドイツ最大の港湾都市で、人口はおよそ170万。北海に注ぐエルベ川河口からおよそ100kmさかのぼった所にあります。12世紀ごろから交易の中心地として栄え、14世紀にはハンザ同盟の盟主として急速に発展、ヨーロッパ中にその名が知られました。2度の世界大戦や大火事で街は幾度となく破壊されましたが、そのたびに再生して商業都市としての活気を保ち続けています。

Information

船のあいさつ所

ハンブルク港には、一日に何十隻もの外国船がやってきますが、旅客船や貨物船などあらゆる船に向かって、送迎のあいさつを放送している場所があります。ハンブルク港からエルベ川を10kmほど下った場所にある「船のあいさつ所」です。
この施設は、もともと船好きの個人の趣味として1952年に始まり、現在まで休むことなく毎日続けられています。あいさつ所の前を船が通り過ぎるときに、その国の言葉で歓迎の言葉と国歌を流し、その船の簡単なプロフィールを読み上げるというもの。長旅の末にようやくハンブルクに到着するさまざまな国の船員たちから、感謝の言葉が多数寄せられています。

旧エルベトンネル

ザンクト・パウリ地区には、エルベ川の対岸に渡るトンネルがあります。旧エルベトンネルです。
ドイツでもっとも古い川の下をつなぐトンネルで、開通は1911年。難しい工事でしたが、当時最新のシールド工法によって掘り進められました。途中で川の水が浸水するなどのさまざまなトラブルを乗り越えて4年がかりで開通したのです。深さ24m、長さ427m。歩行者用と自動車用のエレベーター6機で上げ下げを行います。そしてトンネルの道幅は、1.9mほど。これは乗用車が通るには、かなりギリギリのサイズ。なぜこんなに狭いのかというと、当時は馬車しか通らなかったためだとか。そのかわり、ムチを振り上げられるように、天井の高さは6mもあるんです。この旧エルベトンネルは、通行料は車2ユーロ、歩行者と自転車は無料です。

ビートルズの街

1960年8月、英国のリバプールから5人の若者がハンブルクにやってきました。それは、ブレイク直前のザ・ビートルズです。
当時はシルバー・ビートルズと名乗り、メンバーも、ポール・マッカートニー、ジョン・レノン、ジョージ・ハリスン、ピート・ベスト、スチュアート・サトクリフの5人でした。
ハンブルクにはヨーロッパ最大の歓楽街・レーパーバーンがあり、世界中からミュージシャンが集まってきていました。ハンブルクならかなり稼げるという評判で、ビートルズもやってきたのです。しかし、現実はかなりきついものでした。安い賃金で夜7時から朝7時まで毎日ステージに立ち、映画館のスクリーン裏のベッドで眠り、酔っぱらいのヤジの中、ロックンロールを演奏し続けました。しかしその経験は彼らの技術を大きく向上させ、のちブレイクにつながったと言われています。
ジョン・レノンはこう言っています。「僕は、リバプールじゃなく、ハンブルクで大人になった」。また、後のメンバーであるリンゴ・スターと出会ったのも、ハンブルクのステージだったのです。

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