これまでの街歩き

スース/ チュニジア

2010年2月4日(木) 初回放送

語り:矢崎 滋

撮影時期:2009年11月

世界地図

地図

場所

北アフリカはチュニジアの第三の都市スース。紀元前9世紀ごろ、フェニキア人により建設されました。その後はローマ帝国の街として、7世紀にはアラブの街として、国の主要港となり発展を続けてきました。
現在では、チュニジアを代表するビーチリゾートとして人気の高い街ですが街の伝統は旧市街に伝わっています。千年もの時を経たアラブの街並みは世界遺産にも登録されており、そこに住む人々は古くからの伝統を大切に暮らしています。
歴史あるモスクや要塞(ようさい)、買い物客でにぎわう商店街、白と水色で統一された住宅街。南北700m、東西450mの壁に囲まれた旧市街には、さまざまな魅力が凝縮されています。

Information

スースの海賊

スース観光で人気の高い地中海クルーズの観光船。中世の海賊船を模した船は、乗組員まで海賊の姿をしています。
チュニジアと海賊には深いつながりがあります。地中海は古くからキリスト教勢力と、イスラム教勢力が覇権を争う場でもありました。当時の海賊は国の後ろ盾を得て、海軍の役割を担っていました。そんな中で、イスラム教勢力の海賊として特に有名だったのが16世紀に活躍したバルバロッサ(赤ひげ)兄弟です。彼らは北アフリカ一帯の海を支配し、後にはオスマン帝国の海軍総督にまで上りつめました。
キリスト教勢力と戦い続けたバルバロッサ兄弟は、チュニジアのヒーロー。そんな海賊たちにちなんで観光船が“海賊船”の姿をしているのです。

クスクス

フランス料理としても供されるクスクス。実は北アフリカの郷土料理です。
クスクスは、小麦粉を1mm大の小さな粒になるようにまるめてそぼろ状にしたもので「世界最小のパスタ」と呼ばれています。細かければ細かいほど高級とされています。伝統的に各家庭で小麦粉を丸め、天日干しにして作っていました。そのクスクスを蒸し上げたものが、料理のクスクスです。チュニジアではこれに、トマトベースのソースをかけて食べます。
地域ごとに独特の味つけがされますが、魚介類の豊富なスースではシーフードクスクスがおすすめ。ターメリックやとうがらし、パプリカなどの香辛料がどっさりと入ったスパイシーなトマトソースで魚介類を煮込みます。これを蒸し上げたクスクスにかければ、潮の香りたっぷりのシーフードクスクスの完成です。

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