これまでの街歩き

ポートルイス/ モーリシャス

2012年1月26日(木) 初回放送

語り:浅野和之

撮影時期:2011年12月

世界地図

地図

場所

 ポートルイスは、インド洋に浮かぶ島国、モーリシャスの首都。モーリシャスは、マダガスカル島の東方およそ900kmに位置します。面積およそ2000平方メートル、人口およそ130万の小さな国で、美しい海と豊かな緑に恵まれた高級リゾート地として、ヨーロッパの富裕層に親しまれています。
 歴史的にはオランダ、フランス、イギリスと各国の植民地であった時代が続き、19世紀に奴隷制度が廃止されてから、多くのインド系移民が入植してきました。そのことからモーリシャスの人種の割合は、インド系が3分の2と大多数を占めますが、ほかにもクレオール系(アフリカ系とヨーロッパ系の混血)、中国系、アラブ系、ヨーロッパ系の人々が暮らしています。宗教も多様で、多数派はインド系の人々が信仰するヒンズー教。次いでキリスト教、イスラム教も信仰されています。異なった文化や宗教が隣り合いながら共存。それがポートルイスの特徴です。

Information

お薦めグルメ

 モーリシャスのお薦めグルメは、国の成り立ちと深く関わっています。モーリシャスの主な産業はサトウキビ栽培。無人島だったこの島に、17世紀から植民が行われ、サトウキビ栽培が始められました。今でもサトウキビを原料にしたラム酒はモーリシャスの名産。リゾート施設ではラム酒ベースのカクテルが人気です。
 19世紀に奴隷制度が廃止されたあと、労働の担い手であったアフリカ系の人々に代わり入植してきたのがインド系の人々。このため、インド人によってもたらされたスパイスいっぱいのカレーは、モーリシャスの国民食になりました。リゾートホテルの特製ディッシュであるロブスターカレーには、コリアンダー、タイム、ターメリックなど14種類ものスパイスが使われています。モーリシャスのカレーには料理とは別に細かくひかれた唐辛子が付いてきて、辛さをお好みで調整できるので、激辛が苦手な人も楽しめます。

ドードー

 ポートルイス自然史博物館には「ドードー」の骨が展示されています。ドードーは大航海時代までモーリシャスに生息していた幻の鳥。ずんぐりとした愛きょうのある姿の模型が置いてありますが、これは骨格標本や昔の絵画を手がかりに復元したもので、羽の色も想像に過ぎません。
 ドードーは翼が退化し、空を飛べませんでした。そのため人間に簡単に捕らえられ、家畜に卵を食べ尽くされて、発見からわずか百数十年のうちに絶滅してしまったのです。ドードーの悲劇を繰り返さないため、モーリシャスではドードーを国鳥と定め、紙幣の透かしにも描いています。現在、モーリシャスでは隣の島国セーシェルから移植したアルダブラゾウガメを繁殖させるなど、動物保護に力を入れています。

カイトボード

モーリシャスで人気の新しいマリンスポーツが「カイトボード」。大型のカイト(凧)を操り、サーフボードに乗って風に引っ張られるように海の上を滑走します。風さえ吹いていれば、波の向きや大きさは関係ありません。すいすいと自在に走れます。上級者になれば、風をとらえて空中高くジャンプしたり、回転を組み込んだダイナミックな技もできるように。宙を舞う気分はもう最高!
 難しく見えるものの、実は年齢や腕力を問わず手軽に始められるというのも魅力。個人差はありますが、1週間ほどのレッスンで海を走れるようになるのだとか。モーリシャスへバカンスに行ったら、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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