これまでの街歩き

ポートルイス/ モーリシャス

2012年1月26日(木) 初回放送

語り:浅野和之

撮影時期:2011年12月

街の「サリー」

Photo

 婦人服の店が続くショッピング街で、ひときわ華やかな衣装のディスプレイが目に留まりました。中に入ると、そこは「サリー」のお店。鏡の前で試着中の女の子が「いとこの結婚式に出るのよ」と、はにかみながら答えてくれました。ピンク地に銀糸の装飾をほどこしたスカーフがよく似合っているな…と思ったら、実はサリーはドレスでもスカーフでもなく、1枚の布なんだとか。長さ6メートルもの布を体にぐるぐる巻きつけ、留め具も使わず端を挟むだけで着こなしているではありませんか。インド発祥のサリーはモーリシャスでも人気で、仕事着からフォーマルまでいろいろな場面で活躍します。中でも結婚式は、さながらサリーのファッションショーなのだそう。この女の子も、サリーの魅力ですてきな出会いを見つけるかもしれません。

街の「薬草屋さん」

Photo

 ポートルイスの胃袋を支える中央市場。活気に満ちた人混みの中で薬草屋さんを発見しました。店頭には、不眠、息切れなどの症状を書いた看板がずらりと並びます。地元のお客さんが、医者が治せないという病気のため処方してもらうことも。すごい万能薬!いったいどんなものかと尋ねると、発祥はインドなのだとか。インドといえば、アーユルヴェーダという伝統療法が有名ですが、起源は同じなのだそうです。薬草にはモーリシャスの野生の植物を使用。調合レシピは、ご主人の曽祖父が南インドのチェンナイから持ち込み、代々受け継いできた秘伝だとか。今はご主人のお父さん、そしてご主人の息子さんの3人でお店を切り盛りしています。いつの日か息子さんが5代目として、レシピを受け継ぐ日が来ることでしょう。

街の「競馬場」

Photo

 車の渋滞をたどっていくと、道路の突き当たりで柵に群がる人だかりに遭遇。「レースを見るんだ」という男性の言葉の意味がよく分からずにいると…ひづめの音をとどろかせながら、馬群が目の前を駆け抜けていくではありませんか。そこは、南半球最古という「シャン・ド・マルス競馬場」でした。フランス統治からイギリス統治に変わった19世紀初頭、両国の軍人の社交場として作られた歴史ある競馬場で、競馬は今もポートルイス随一の人気スポーツなんだそうです。道端からのレース観戦、各馬が最終コーナーを回れば、馬の名を叫ぶ声が飛び交います。しかし、レースが終われば夢の跡。柵が開き、なんとコースを人や車までもが横断し始めました。この光景も、ポートルイス独特のものでしょう。

※NHKサイトを離れます
ページトップ