これまでの街歩き

川越/ 日本

2013年5月21日(火) 初回放送

語り:大友康平

撮影時期:2013年4月

世界地図

地図

場所

 埼玉県川越市は、人口約34万の都市。かつては城下町として栄え、江戸情緒あふれる街並みが注目を浴びて年間600万人もの観光客が訪れています。観光のメインは、立派な店蔵(みせぐら)がずらりと並ぶ、蔵通りの“一番街”です。人力車や着物の女性が行き交う通りを歩くと、タイムスリップしたよう。実際に、街のランドマーク “時の鐘”は、この街で400年近くぼん鐘の音を響かせています。
 この蔵通りが整備されたのは、実は近年のこと。明治期の商人たちが火災に強い店蔵を建造し、商店街ができました。1960~1970年代には商業の中心地が駅周辺に移り、蔵の街から客足が遠のいたこともありましたが、その後、街をあげて景観の復原に着手。蔵通りの電線を地中に埋め、建物の高さや色にも配慮しました。やがて蔵通りは活気を取り戻し、現在のような美しい景観の街となったのです。

Information

川越の歴史

 川越は、江戸初期から400年に渡って栄えた商業の街。街の繁栄を支えてきたのは、市内を縫うように流れる新河岸川(しんがしがわ)です。新河岸川は隅田川とつながっているため、江戸との交易の拠点になりました。当時の商人たちは特産物や織物などを江戸に卸すことで、富を築きました。
 蔵の街を造ったのも商人たちです。明治26年の大火で街の3分の1が焼き尽くされましたが、蔵造りの家は全焼を免れました。それをきっかけに商人たちがこぞって蔵を建て、今の蔵通りが生まれたのです。蔵造りは高価なのですが、川越の蔵は高級品の黒しっくいを塗ったり、豪勢な鬼瓦で飾ったりと、ずいぶんお金をかけています。当時の商人たちの繁栄ぶりと見えっ張りな気質が見え隠れしますね。

川越まつり

 川越っ子の一大エンターテインメントといえば、毎年10月に開催される“川越まつり”。慶安元年の氷川神社の祭りを起源に、約360年の歴史があります。毎年80万人の観光客が訪れ、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
 祭りの華は、市内に29台ある巨大な山車(だし)。川越の山車は、とにかくけんらん豪華!高さはどれも8m以上あり、刺しゅうが施された幕や細部の彫刻はみやびで、回転やせり上げなどの仕組みは実に手が込んでいます。山車にかかる経費は各地区の住民や企業がお金を出し合って捻出しています。なかには、数億円もかかった山車もあるのだとか。川越の人々がいかに祭りを愛し、大切にしているかが分かりますね。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

 かつて十代将軍・徳川家治にも愛され、江戸で大流行した川越の“さつまいも”。今回は、川越市のマスコットキャラクター“ときも”と川越の大学に通うあゆみさんが、驚きのさつまいもグルメ・ベスト3をご紹介!

いも重

さつまいもと並んで川越で有名なのが“ウナギ”。海のない川越では川魚がよく食べられ、なかでも収獲量の多かった天然ウナギが名物となりました。川越グルメを代表するウナギのかば焼きとさつまいもの炊き込みご飯のコラボが、この「いも重」。川越の恵みをたっぷりいただく、ぜいたくな一品です。

いもビール

「紅赤(べにあか)」という川越特産のさつまいもを使用したビールです。赤みがかかったこはく色と、奥行きのある香ばしい甘みが特徴で、世界的な品評会でも入賞するほど。蔵通りには生のいもビールをテイクアウトさせてくれるお店もあり、カップ片手に観光する人々をちらほら見かけます。

つぼ焼きいも

つぼの中にさつまいもをつるし、蒸し焼きにした一品。つぼを使用することで均等に火がまわり、どこから食べてもホクホク!皮ごとかぶりつくのがおススメです。炭火の熱で柔らかくなった皮には、中身の5倍のカルシウムが含まれているそうです。栄養満点のさつまいもを、まるごと味わい尽くせますよ!

※NHKサイトを離れます
ページトップ