世界ふれあい街歩き

場所

　スウォンはソウルの南に位置する街で、世界遺産でもある美しい城、ファソンがあります。李朝第22代国王、チョンジョがこの地に父の墓を造り、その後、城を築きました。朝鮮戦争で城壁の一部が破損してしまいましたが、残されていた詳細な設計図を基に修復が行われたおかげで、築城当時を思わせる立派な姿がよみがえりました。
　また、城壁には、かつて外敵を攻撃するために建てられた楼閣や城門、のろし台などさまざまな建造物が残されています。城壁の中心部にはチョンジョ大王の宮殿があり、その美しさで訪れる人々を魅了しています。

チョンジョ大王

　チョンジョ大王がスウォンに城を築いたのは、父の無念を晴らすためでした。チョンジョ大王が子どもの頃、父は朝廷内の陰謀に巻き込まれ、罪を着せられ餓死してしまいます。後に王になったチョンジョは父の汚名を返上するため、スウォンの郊外に父の墓を造り、手厚く葬りました。そして、その近くに城を築いて父の墓参りに通ったのです。スウォンに都を移す計画もありましたが、夢半ばにして大王が亡くなり、実行に移されることはありませんでした。大王の親孝行の精神は受け継がれ、今もスウォンの人々の心に息づいています。

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介！

　大学生のソンさんと高校生のチャさんにスウォンで人気のグルメを紹介してもらいます。

スンデ

ちょっと変わった見た目のスンデは、豚の血と春雨を混ぜて腸詰めにしたもの。栄養たっぷりで疲労回復にも効果があります。もちっとした食感で、そのまま食べてもいいけれど、野菜と一緒に炒めるのもおすすめ！甘辛いタレと野菜のうまみがスンデにしみこんで、とってもおいしいんですよ。

キムチまん

キムチまんは行列ができるほど大人気。一日に2500個も売れるのだそう。具に混ぜるキムチは自家製で、化学調味料は一切使っていません。細かく刻んだ春雨がおいしさの秘けつ！

オデン

屋台で食べられるオデン。ネタは魚のすり身だけで、だしは干しエビ、煮干し、カニや野菜からとったものです。激辛な味付けが特徴的で、たっぷりの粉トウガラシと丸のままのトウガラシがどっさり入っています。最後に甘辛いタレを付けて食べれば、クセになること間違いなし！

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます！

イチョン 陶芸村

　今回は韓国有数の陶芸の街、イチョン(利川)の陶芸村にちょっとより道します。イチョンで陶芸が盛んになったのは朝鮮王朝時代。隣町のクンジュに王室直営の窯が置かれた後、上質な陶土が取れて、窯焼き用の薪(まき)が豊富なことから、イチョンにも窯元が増えていきました。
　イチョンには陶器を扱った販売店がたくさんあり、日用品の陶器を作る窯元から、韓国を代表する陶芸作家まで多彩な窯元がいます。かわいい“未来の陶芸家候補”との出会いもありました。