これまでの街歩き

バレンシア/ スペイン

2014年8月12日(火) 初回放送

語り:中嶋朋子

撮影時期:2014年6月

世界地図

地図

場所

 バレンシアはスペイン地中海岸の中央に位置する街です。マドリード、バルセロナに次ぐスペイン第3の都市で人口は約80万、毎年春に開催される「火祭り」はスペイン三大祭りのひとつに数えられます。
 14世紀から16世紀にかけて経済、政治、文化の面で発展を遂げ、当時はヨーロッパにおける商業の中心地のひとつでした。15世紀末に建てられたラ・ロンハ(商品取引所)は当時の繁栄をしのばせる壮麗なゴシック様式の建物で、世界遺産に登録されています。
 現在のバレンシアは歴史的建造物が数多く残る旧市街とそのまわりに広がる新市街、斬新なデザインの建物が建ち並ぶ芸術科学都市と、さまざまな顔を持つ魅力的な街として注目を集めています。

Information

国立陶器博物館

 スペイン全土から集められた5000以上の陶器コレクションを誇る国立陶器博物館。地元バレンシアの陶器を中心に紀元前から現在までの世界各地の陶器を見ることができます。
 バレンシアの製陶の歴史は8世紀にさかのぼります。地中海を越えてイベリア半島に支配を広げたイスラム勢力が建築や農業の技術と共に製陶技術をもたらし、バレンシアの重要な産業のひとつとなったのです。キリスト教徒の国土回復運動(レコンキスタ)で15世紀に半島からイスラム勢力が一掃された後も、製陶産業の担い手はこの地に残ったイスラムの人々でした。貴族の紋章とともに、イスラムの魔除けであるファーティマの手が描かれた当時の皿が、その歴史を物語っています。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

 バレンシアっ子のタニア・オロスコさんが、バレンシア市民の台所・中央市場から、バレンシアならではのグルメ・ベスト3を紹介します。

パエリヤ

スペイン料理を代表するパエリヤはバレンシアが発祥の地。バレンシアでは日曜日は「パエリヤの日」で、お母さんを家事から解放するためお父さんがパエリヤを作ります。どの家庭にも、大きさの違うパエリヤ鍋が2個以上あると言われるほど。鶏とうさぎの肉とインゲン豆のパエリヤがバレンシア風です。

エスガラット

バレンシアのバルのタパスでおすすめなのがエスガラット。焼いたパプリカの皮と種を除いて裂き、塩抜きした塩ダラを、こちらも裂いて、オリーブオイルを加えて混ぜれば完成。バレンシア語で「裂く」は、エスガラールといいます。そこから、この料理の名前がつきました。

カラバサアサーダ

カラバサアサーダとは、焼きカボチャのこと。ペピータブランカという種類のかぼちゃを横半分に切り、オーブンに入れて180℃の温度で40分から60分焼けば、出来上がりです。大きなパン焼き用オーブンで作るので、パン屋さんで売っています。オレンジ色が濃いほど甘く自然の美味しさを味わえます。

ちょっとより道

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!

アルブフェラ湖
語り:高橋克実

 バレンシアからバスで南へ約20km、スペイン最大の湖アルブフェラ湖畔の街、エル・パルマールに到着です。
 アルブフェラとはアラビア語で「小さな海」という意味。古代ローマ人はこの湖を「太陽の鏡」と呼んだそうです。まわりに水田が広がるスペインきっての米どころで、パエリヤ発祥の地でもあります。パエリヤ専門のレストランが20軒以上もあり、週末には周辺の街から訪れるパエリヤ目当ての人々でにぎわいます。
 湖のほとりには、この地方独特の白い土壁とわらぶき屋根の伝統的な家「バラッカ」が数軒残っていて、中を見学することもできます。アルブフェラ湖周遊ボートの乗船料は1人4ユーロ。約8キロ、1時間弱の湖上散歩です。ここは渡り鳥の中継地にもなっていてさまざまな鳥が羽を休めています。周遊のクライマックスは日没。波ひとつ無い水面に太陽が沈む様は正に絶景です。

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