これまでの街歩き

バレンシア/ スペイン

2014年8月12日(火) 初回放送

語り:中嶋朋子

撮影時期:2014年6月

街の「飲み物」

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 街のカフェで、ちょっと気になる看板を見つけました。タイル製で、民族衣装の女性が樽(たる)から何かをすくっている絵が描かれています。お店の人に聞いてみると、女性のモデルはその方の奥さんで、すくっているのはバレンシア名物の「オルチャタ」という飲み物だそうです。
 オルチャタの原料は「チュファ」と砂糖と水。チュファとはカヤツリグサの一種であるエジプト原産の植物の根にできる塊のことで、おいしいだけでなく健康にいい成分も含まれているのだとか。
 香ばしくてさっぱりしていて甘くて、ちょっとミルキーな味のオルチャタ。専門の屋台やカフェもあるほど、夏の暑い時期、バレンシアっ子には欠かせない飲み物です。

街の「市場」

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 旧市街を歩いているとたくさんの人が出入りする大きな建物が見えてきました。鉄の枠組みにタイルやモザイクレンガがはめ込まれた、1920年代のモデル二スモ建築です。ここはバレンシア中央市場。広さ8000㎡を超えるヨーロッパ最大級の市場で、バレンシア市民の台所としてにぎわっています。スペインならではの生ハム専門店や、地中海の新鮮な魚介類を扱う魚屋さんはもちろん、八百屋さんに並ぶ野菜や果物も色鮮やかで品揃えも豊富です。実はバレンシア近郊の平野は農業がとても盛んで「スペインの農園」と呼ばれるほどなんだそう。
 中央市場の営業時間は月曜日から土曜日の朝8時から午後2時30分まで、日曜日はお休みです。

街の「塔」

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 旧市街の北の地区で見つけたのはタイル屋さん。中では職人さんがタイルに絵を描いていました。お店のすぐ近くにある“セラーノスの塔”の絵だそうです。
 セラーノスの塔は、14世紀後半に建てられた、ゴシック様式の軍事建造物。中世、バレンシアの旧市街は城壁で囲まれていました。セラーノスの塔はその頃の街への出入り口、城門のひとつだったのです。今では市の記念建造物になっていて、1ユーロの入場料を払うと塔の上まで登ることができます。
 上からみると塔の形が五角形であることがわかります。 旧市街の西の地区には同じように15世紀に建てられた城門、クアルトの塔があり、こちらも塔の上に登ることができます。

※NHKサイトを離れます
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