これまでの街歩き

イーストロンドン/ イギリス

2015年10月20日(火) 初回放送

語り:八嶋智人

撮影時期:2015年6月

世界地図

地図

場所

 イーストロンドンは、ロンドンをセントラル・ノース・ウエスト・サウス・イーストの5つに分けた行政区のひとつです。1世紀、入植したローマ人によって、ロンドン中心部を取り囲むように城壁が築かれますが、その後、その外側の東側に広がった下町が今のイーストロンドン。
 街は長らく、イギリスでも指折りの危険な界わいとされてきました。特に18世紀の産業革命以降、工業地域となったイーストロンドンには移民も含めた貧しい労働者が集まっていたため、生活環境は非常に悪く、犯罪が多発しました。さらに1960年代からは国全体が不景気に陥り、工業が衰退。工場や倉庫が次々に閉鎖され、街はゴーストタウンと化します。
 しかし、その後、安い家賃で広い部屋を借りられることに目をつけたクリエイターの卵たちが移住してくるようになり、次第にアートやファッションの拠点へと生まれ変わります。そして、2012年にはロンドンオリンピックのメイン会場に選ばれ、これを機に再開発が加速。現在は、イーストロンドンは、若者たちや観光客にとっても人気の街となっています。

Information

あの「切り裂きジャック」の根城だった!

 イギリス犯罪史上、最悪の殺人犯のひとりとして語り継がれる「切り裂きジャック」。1888年の秋、女性ばかりが立て続けに惨殺したとされていますが、その犯行現場となったのがイーストロンドンでした。
 当時のイーストロンドンは、人口の集中と人々の貧困がピークに達していました。通りは失業者やアルコール中毒者、売春婦であふれかえり、暴力沙汰が日常茶飯事という、ひどい環境でした。そんな中で起きたのが「切り裂きジャック」事件。結局犯人は捕まらず、イギリス中を震え上がらせた悲劇は未解決に終わります。
 これを機にますます、「イーストロンドン=危険な街」というイメージが広まってしまいました。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

 工業地域だった時代、イーストロンドンの労働力を支えていたのが、さまざまな国からやってきた移民でした。その結果、国際色あふれる、バラエティーに富んだグルメが生まれました。
 イーストロンドンが大好きなアートを学ぶ女子、ジェナ・コビリカさんがお気に入りのトップ3をご紹介!

シリアル・スイーツ

今、話題沸騰中のグルメ!なんと世界中から集められた120種類のシリアルと20種類のトッピングを組み合わせて作るオリジナル・スイーツです。今回ジェナさんが選んだのは、人気メニュー「ユニコーンのうんち」。定番のお米のシリアルにカラフルなマシュマロとクッキーを加え、その上からクリームをトッピング。徹底的な甘さが女子の心をとりこにしています。

ソルトビーフ・ベーグル

週7日、24時間食べられることで地元ではおなじみのソルトビーフ・ベーグル。もともとはユダヤ料理のファストフードです。ポイントは何から何まで手作りということ!さっと湯通ししてから焼き上げることで独特のもちもちの食感をもったベーグルに、厚切りの塩漬け牛肉を挟んで完成!毎日長い行列のできる鉄板ランチです!

ミックスグリル&クスクス

第3位はシリア料理。ボリューム重視の方に特におすすめです。クスクスの上にのせるのは、じっくりとグリルした大ぶりのビーフ、チキン、マトン!さっぱりとしたクスクスと、スパイスの効いたお肉のマッチが絶妙。エスニック色あふれる一皿です。

ちょっとより道

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!

ロンドン市内に「野生の王国」!?リッチモンドパーク
語り:濱田マリ

 イーストロンドンから地下鉄に乗ってロンドン西部の街・リッチモンドへ。ロンドン市内にありながら、雄大な「野生の王国」が広がっているんだとか。「ロンドン市内に野生の王国?」と不思議に思いながら駅を降りてしばらく歩くと、立派な門構えのお屋敷の数々が。実はここ、ハリウッドスターも家を持っているという、うわさの高級住宅街なのです。
 お店の準備をしている女性を見つけて話を聞くと、近くに、野生の鹿がいる広大な公園「リッチモンドパーク」があることを教えてくれました。なんでも、昔は王様や貴族が鹿狩りをしていた場所だったんだとか。
 「リッチモンドパーク」には豊かな緑が広がっていました。そして何頭もの野生の鹿と、そのそばで散歩したり、くつろいだりする市民の姿がありました。ゆっくりと流れる時間。「野生の王国」は鹿にとっても、市民にとっても、最高の憩いの場となっているようでした。

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