これまでの街歩き

王朝の面影
アユタヤ/ タイ

2018年2月27日(火) 初回放送

語り:イッセー尾形

撮影時期:2017年11月下旬〜12月初旬

世界地図

地図

場所

 アユタヤは、首都バンコクから北に76km。14世紀半ばから18世紀にかけて400年余り、アユタヤ王朝の都として栄えました。世界中から観光客が訪れる旧市街は、チャオプラヤー川とその支流に囲まれた周囲約12kmの島にあります。王朝時代はオランダやポルトガル、さらに日本などから多くの外国人が暮らす、東南アジア随一の国際都市でした。海から100km内陸にあるため、海賊に襲われる心配もなく、ヨーロッパとアジアを結ぶ交易拠点として栄えたのです。
 栄華をしのぶ遺跡群は歴史公園として整備され世界遺産に登録されています。1767年に隣国ミャンマーの王朝に攻め入られて王朝はついえましたが、王朝時代に培われた文化と社会制度は、現在のタイに受け継がれ続けています。

Information

人気スポットが伝える王朝の歴史

 世界遺産の遺跡群の一つ、プラシーサンペット寺院は、15世紀に国王によって建てられた寺院です。巨大な3つの仏塔には代々の王の遺骨が納めら、王の絶大な権力を今に伝えています。
 枯山水の優雅な日本庭園は、かつて「日本人町」があった跡地。17世紀初頭に、迫害を逃れたキリシタンや戦に敗れた浪人たちが日本から移り住んできました。当時のアユタヤはタイ人よりも外国人が多かったといわれています。外国人は自国との交易を担っていました。
 マハタート寺院は今は廃虚ですが、菩提樹の根に絡みついた「仏像の頭部」があります。1767年、隣国ミャンマーの王朝に攻め入れられ陥落したアユタヤ王朝…。盛者必衰の理を説く仏の教えを物語っているようです。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

日本でも大人気のタイ料理。アユタヤでもトムヤンクンなど、おなじみの料理もありますが、今回はタイの誰もが「アユタヤへ行ったら絶対食べなきゃ」と思い浮かべる名物料理を紹介します。案内役は、アユタヤ生まれでアユタヤ育ちの女子大生ゲートさん。若さあふれる元気いっぱいの食レポとともにお楽しみください。

手長エビの炭火焼

第1位は「手長(てなが)エビの炭火焼」。手長エビは河口付近でふ化すると川を遡上(そじょう)しながら成長。河口から100kmのアユタヤで体長30センチの極上な大きさになるんです。蓋をして炭火で5分焼き上げるとプリプリに!ニンニク、パクチー、パイナップルなどをミキサーにかけて作ったパンチの効いたソースが、エビの甘さを引き立てる絶品です。

ロティ・サイマイ

アユタヤ名物のスイーツ。「サイマイ」は絹糸の意味で、水あめを絹糸のように薄く延ばし、クレープのような薄い生地に包んで食べます。“絹糸”に伸ばす技は、まさに職人芸。一方、クレープは、さわやかな香りのするパンダナスの葉を混ぜ込んだものが人気。口の中で絹糸がとろけ、甘さが広がる瞬間がたまりません。

舟ラーメン

昔、川に浮かべた小舟で売られたいたからその名がついたという麺料理。他の街にもありますがアユタヤが本場。各店が競うのはスープの味で、この店ではトンコツにシナモンや八角などの香辛料を加え、12時間じっくりと煮込んで濃厚な味に仕上げています。食べるとき、スイートバジルを加えると味がスッキリ!さらにおいしくいただけます。

ちょっとより道

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!

たたいて!踊って!太鼓の村 エカラート
語り:濱田マリ

 アユタヤから北西へ30km。タイで有名な太鼓の村エカラートを目指します。乗り合いバスで50分。そこから歩いて30分。村の入り口には「ドラム・メイキング・ビレッジ」と英語で誇らしげに書かれた看板が!26の工房があり、中国や日本にも輸出をしているのだとか。
 一軒の太鼓屋さんをのぞき、音を聞かせていただくと…ドン、ドンという響きは迫力満点。演奏を聞きたくなり、「太鼓の名人は?」と尋ねると「村にはいないけど、お寺にいけば、太鼓をたたいてる」との答え。
 寺へ向かうと、11時ちょうどに、お坊さんが太鼓をたたき始めます。食事はたく鉢でまかなわれているため、村人に感謝の気持ちをこめて、昼食時間に鳴らすのだそう。
 隣の小学校では、太鼓をたたきながら踊りの練習中。結婚式や出家式で披露する演目だそうで、聞いてると確かに楽しくなってきます。子供たちの真剣な表情には、村の一員としての役目を担う小さな誇りがにじんでいました。

※NHKサイトを離れます
ページトップ