これまでの街歩き

同里/ 中国

2008年11月6日(木) 初回放送

語り:林 隆三

撮影時期:2008年5月

街の「田うなぎ」

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 同里は「魚米の故郷」といわれるくらい魚や穀物の産地として知られています。広場では田うなぎをさばいている女性に出会いました。
田うなぎは淡水魚で水田や川の浅瀬に生息し、食用は20cm未満のものです。中国では食材として珍重されており、骨を取り外し、鍋料理や炒(いた)めものにします。
田うなぎをさばいていた女性は、歯ブラシの柄を削って包丁代わりに使っていました。うなぎはヌルヌルしているので包丁では危ないし、古い歯ブラシを利用すれば手を切ることも無いということでした。

街の「筒」

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街のなかにあるトンネルのような薄暗い路地。中には10世帯ほどの民家がありました。
一軒の家では、ユニークな形の筒に入った赤ん坊と出会いました。生後14か月だそうですが、まだ十分歩き回ることができません。ここでは、子供が立ち上がりをはじめるころにこの「立筒」(リトン)という木の桶(おけ)の中に入れるそうです。子供を立たせるのを助ける道具で、日本の歩行器のようなものです。高さは60cmほど、食事のときに子供がテーブルの食べ物に手を伸ばすのにも便利です。このお宅では「立筒」を70年ほど使っていて、この子のおじいちゃんもこの立筒で育ったのだとか。

街の「屋台」

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 夕方、学生たちでにぎわう屋台を見つけました。屋台の名物料理は「マー・(しびれる)・ラー(辛い)・タン(熱い)」。いかにも辛そうな名前です。
お客さんが自分で好きな具を選んで、鍋でクツクツと煮込みます。地元の女子高生に味をきいてみました。「おいしい」と言いながら、とても辛いので水の入ったコップに具を浸して食べています。寮生活をしているため、よくここで夕食を取るそうです。授業は朝の7時から夜の9時まであり、夜の授業に備えての夕食だったのです。彼女たちは週末になるとに実家に帰っていきます。楽しみはやはり、お母さんの手料理が食べられることだそうです。

※NHKサイトを離れます
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