これまでの街歩き

あこがれリゾートの街を行くⅢ
アカプルコ/ メキシコ

2012年4月17日(火) 初回放送

語り:矢崎 滋

撮影時期:2012年3月

街の「ドレス店とケーキ店」

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 旧市街から商店街の方へ歩いていくと、通りに色とりどりのドレスを売るお店を見つけました。このドレスはウェディング用?と思って女性店員に聞くと、「これは15歳の誕生日のパーティーで着るドレスよ」と教えてくれました。メキシコの女性は15歳を迎えると大人の仲間入りをしたとみなされるため、その誕生日は特別なんだとか。豪華なドレスを着てダンスをし、たくさんの招待客から祝ってもらう盛大なパーティーになるそうです。さらに店員は、ご近所にある15歳の誕生日専門のケーキ店に案内してくれました。そこにあったのは、これまたウェディング用かと見違えるほど豪華なケーキでした。なんと、中には電飾やミニチュアの噴水を飾りつけたものもあります。
 店主いわく、15歳の誕生日は会場、ドレス、ケーキ、招待客と多額な費用がかかり「娘が3人いたら破産する」と言われるほどなんだそうです。
 ちなみに、ドレス店の女性店員は自分の15歳のときを思い出し、「とてもすてきなパーティーだったわ。私が15歳になったことを喜んで、父も泣いていたの」と語ってくれました。

街の「“マリアッチ・アパート”」

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 旧市街の北、住宅の並ぶ通りに入って行くと、どこからかトランペットの音色が。音の鳴る方に行ってみると、路上で駄菓子を売っている男性がいました。その人に音のことを尋ねると、民族衣装を着たメキシコ音楽の楽団、「マリアッチ」だと教えてくれました。近くの小屋のドアを開けると、中にはトランペットとギターを演奏する男性が2人。トランペットの男性によると、これから上の階にいる叔父さんたちと一緒にリハーサルをやるのだとか。連れられて2階に上がると次々と上半身裸の男性が登場。みんなマリアッチなんだそうです。まだお休み中だったんですね。
 階下に戻ると路地の階段で突然、トランペットとギターの2人がリハーサルを開始。え、ここで? と思っていると、音色に導かれるように1人、2人、3人とマリアッチの仲間が次々と集まってきました。通行人が来てもお構いなしに演奏を続けているし、通行人も気にする様子ではありません。日常のことなんですね。最後はマリアッチ7人でメキシコを愛する歌を大合唱となりました。まさに路上ライブ!
 この辺りはマリアッチたちが多く住む所で、その数は30人くらいなのだとか。ふだんは表通りに立って仕事の依頼を待ち、結婚式や15歳のお祝いに出向いて演奏するんだそうです。この住宅街にはいつも、練習するマリアッチの音色が響いているんでしょうね。

街の「椅子修理の姉弟」

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 旧市街から広い通りに出て歩いていると、何か細いひものような物を引きずった若い男女を発見。それじゃどこかに引っかかって危ないよ、と声をかけると、「このひもは椅子を編むために使うものなの」と女の子。「これからお客さんのところへ行くの」という2人について行くと、とある修理店に到着しました。
 それから2人は、店にある椅子を直し始めました。女の子はまず椅子のひもを骨組みから切り、そこに男の子がビニール製のひもを巻きつけていきます。話を聞くとこの2人、姉弟なんだそうです。
 温暖なアカプルコでは、風通しのいいこのような椅子が至る所で使われているとか。ちなみに修理店のご主人は、修理している間、お客さんに待ってもらえるようにこの椅子を使っているそうです。
 そうこうしているうちに、椅子の修理が終わりました。緑と赤のビニールに彩られた椅子にご主人はご満悦です。一方、ひもを巻いていた弟さんは暑さのあまりぐったり。修理店のご主人からご褒美にコーラをもらい、お姉さんと仲良く帰っていきました。

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