2014年6月17日(火) 初回放送
語り:牧瀬里穂
撮影時期:2014年4月
街のシンボル・サンジェルマンデプレ教会の方へ歩いていると、路上にピアノを置いて演奏する人たちに出会いました。軽快なジャズバンドの音楽にひかれ、周りには人だかりができています。曲が終わるとバンドのお兄さんが「音楽は人生を癒やすんだ」と教えてくれ、おかげで明るく楽しい気分になりました。
「♪気をつけろ 誰も信じちゃいけないぞ」思わず口ずさむリズムと、日差しが気持ちいい出会いでした。
太陽まぶしい昼下がり。日の光が大好きなパリっ子憩いの場、リュクサンブール公園を目指して歩きます。
サンジェルマン大通りを渡ると、枝にいくつも本が引っかかった木に遭遇。なぜ本が木の枝に?通りがかったおばさんに事情をきくと「本が実る木よ?日本にはないの?」と、聞き返されてしまいました。困り果てていると、犬を散歩中のおじさんが教えにきてくれました。なんでも「本が街に根づくように」というシャレで、近くの出版社の人たちがぶら下げたのだそうです。作家に愛される街ならではの、人々の願いが込められていたんですね。
午後、ギャラリーが並ぶ路地を歩いていると、風格のある建物が見えてきます。気になってお邪魔してみると、そこはモネやドラクロワを輩出した街の美術学校でした。
歴史ある校舎のたたずまいを眺めていると、絵を抱えた女学生たちに出会い、これからアトリエに向かうというので連れて行ってもらいました。学生3人でお互いの作品の見せ合いっこが始まります。南フランスの女性を描いた絵、木で作った彫刻、日本の能のステップだけを撮った作品など、彼らの興味はバラバラ。でもこうして互いにいい刺激になっている様子です。
「この街のギャラリーに展示をするのが夢なんだ」と語りあう未来のピカソたち。芸術を愛する心はこの街によって育まれているようです。