これまでの街歩き

ビルバオ旧市街で出会うバスク文化/ スペイン

2015年9月1日(火) 初回放送

語り:中嶋朋子

撮影時期:2015年6月

街の「おへそ ~ヌエバ広場~」

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 旧市街の入り組んだ路地を歩いていると、突如アーチが!そこをくぐると、四方をカフェに囲まれた広場が出てきました。ヨーロッパらしい、とても優雅な雰囲気が漂う広場です。カフェで談笑しているおじいさん、おばあさんたちに呼び止められました。おじいさんいわく、「ここはビルバオで一番古いヌエバ広場で、人々が自然と集まってくる街の「へそ」のような場所。14世紀にこの辺りから街の開拓が始まったんだ」と、自慢げに教えてくれました。
 70年以上前からの幼なじみで、今もこの広場に集って、チョコレートを食べるのが何よりの楽しみになんだとか。とってもすてきなご関係ですね!

街の「バレナドーレス」

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 17世紀以降、ビルバオは良質な鉄鉱石を産出し、繁栄を誇った街。旧市街の中でも「ビルバオ・ラ・ビエホ」という元鉱山だった場所を歩いてみると、遠くから「カーン、カーン」という音が響いてきました。「どこかで工事?」と思ったやさき、巨大な石にやりを突き刺している人々が?!
 恐る恐る近づき、話を聞いてみると、「バレナド―レス」というスポーツの練習中なんだとか。ビルバオならではの伝統競技だそうです。「かつて、鉱山で働いていた発破職人たちをモデルにしたスポーツさ。石に火薬を詰める仕草を模倣して、次々に穴を開けてその数を競うチーム対抗戦なんだ」と教えてくれました。
 先祖の大変な重労働を、あえてスポーツにして敬意を表するビルバオの人々。試合はさぞかし盛り上がるんでしょうね!

街の「コーラス隊」

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 旧市街のBARに人だかりが…。近づいてみると、店の中からすてきな歌声が聞こえてきました。おじいさんたちの声、完璧にハモッてます!
 何でも、地元の仲間たちと結成したバスク語のコーラス隊だそうです。市役所で練習後、なじみのBARに繰り出して、自慢の歌声を勝手に披露するんだとか。でも、隊には鉄則があり、「ワインは4杯まで」。それ以上飲むと、歌声というよりわめき声になるからだそうです。
 かつて、ときのスペイン政府の弾圧でバスク語が禁止されていた時代があるからこそ、おじいさんたち、バスク語で思いっきり歌えるこの瞬間が最高に気持ち良さそうに見えました。
 「ワイン10杯はいけるね!」と意気揚々に語るおじいさんたち。あれ?コーラス隊の鉄則は4杯まででしょ?!

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