これまでの街歩き

文明の十字路
ソフィア/ ブルガリア

2016年9月27日(火) 初回放送

語り:中嶋朋子

撮影時期:2016年6月

街の「ゲブレック」

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 朝のソフィア。路面電車が行き交うにぎやかな通りで、歩道にたたずむパンの売店を発見。看板商品は「ゲブレック」というドーナツのような形をしたパンで、1個30円ほど。ソフィアの人たちは朝食や早めの昼食、そして午後のおやつなど、ちょっとお腹がすいたときにこのゲブレックをモグモグ食べるのだそうです。
 作り方はベーグルにそっくり。生地をお湯でゆでてからオーブンで焼きます。油脂を使わない生地はもっちりと食べごたえがあり、しかも低カロリー。たしかに軽食には最適。このお店の厨房では1日1000個くらい焼いているとか。
 もし売店が見当たらなければ、お昼どきに公園へ行ってみてください。カートにゲブレックを詰めて売り歩くおばさんたちに出会えるでしょう。

街の「キリル文字」

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 ソフィア市民が憩う公園。アルファベットをかたどった木の板で作文の勉強に励む母子と出会いました。ブルガリアで使われているのはキリル文字。これは9世紀、ギリシャの修道士であるキリルとメトディウスの兄弟が、スラブ民族にキリスト教を布教するために考案した文字をもとに、弟子が完成させたものと考えられています。後にロシアなど多くのスラブ系民族に広まっていきますが、いちばん初めに使われたのはブルガリア。このためキリル文字はブルガリア発祥とされています。ちなみに5月24日は「文化の日/聖キリル・メトディウスの日」という祝日。
 名前をつづってくれたアニエル君は8歳。たくさんの言葉を覚えて世界中を旅するのが夢だそうです。

街の「ホステル」

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 夜8時過ぎ。まだまだ明るいソフィアの街なかで小さな宿を見つけました。名前は「アートホステル」。2001年に3人のソフィアっ子がお金を出し合って開業したそうです。ポリシーは「地元のアーティストに発表の場を提供する」そして「若き旅人たちとの創造的な交流を進める」こと。「ホステルはライフスタイルである」とは創業者の言葉です。
 宿泊できるだけでなく、展示会やライブがしょっちゅう開かれるので、旅人と地元っ子とで連日大にぎわい。現代の「文明の十字路」と言えるかもしれませんね。
 宿泊料は、アーティストがデコレーションしたダブルまたはツインの部屋が朝食込みで3000円前後。長期滞在者が多いのもうなずけます。

※NHKサイトを離れます
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