これまでの街歩き

素朴な幸せ
サンホセ/ コスタリカ

2017年11月28日(火) 初回放送

語り:田畑智子

撮影時期:2017年9月

街の「ジュース屋さん」

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 サンホセ中心部の東側は官庁街。国会議事堂の前に、毎日、新鮮な果物ジュースの屋台が立ちます。オレンジジュースは、コップにひとつまみの塩を入れてから注ぐと、さらにおいしくなるのだとか。火山が20もあるコスタリカでは、火山灰を含む滋養豊かな土地でオレンジ、パパイヤ、スイカをはじめ、多くの果物が作られています。「コスタリカでは365日フルーツが収穫できるんだ」とお客さんが教えてくれました。国会議員、警備員、宝くじ売りや散歩の人など、さまざまな常連客が集い、世間話に花が咲きます。ジュース屋さんやお客さんは、口々に「コスタリカは軍隊がないから、他国に比べて、国会で論議する問題が1つ少なくて済むんだよ」と教えてくれました。

街の「豆屋さん」

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 コスタリカの人たちの主食は米と豆。市場を訪れると、赤や黒のインゲン豆をはじめ、さまざまな種類を量り売りする店がありました。ひとりの女性は郷土料理の「チフリホ」の材料を買いに来たのだそう。いくつもの豆の袋が並んでいるのに驚いていると、店の人が「こっちはドッグフード。あっちはキャットフード。インコやニワトリのエサもあるよ」。・・・売り物の半分以上はペットのエサでした。いちばん値段の高いキャットフードの袋には、ネコちゃんが頭を突っ込んで食事中。店では6匹のネコを飼っていて、いつでも食べ放題なんだとか。また、口の中がすっきりするからか、レタスも好物なんだそう。それにしても、人間の食べ物とペットのエサを一緒に売るなんて、サンホセの人は分け隔てがないんですね。

街の「バー」

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 サンホセにはあちこちに、ビールやカクテル、簡単な郷土料理を出すバーがあり、街の社交場になっています。ビールは、グラスのふちに塩を塗り、ライムを搾って飲むスタイルが人気です。夕暮れ時、ラッパのしらべに誘われて入った老舗バーでは、サンホセの魅力をうたった伝統的な歌の生演奏中でした。酒をストレートでクイッと飲む人、新聞を読む人…、仕事帰りに立ち寄った常連さんが、思い思いに楽しんでいました。ノリノリでダンスしていた男性は、ちょうど65歳の誕生日なんだとか。お祝いに集まっていた2人の男性はこの店で知り合い、メキシコで結婚したばかり。結婚式には店の主人や常連客も参加したのだそう。サンホセは、どんな人でも自分らしく生きることができる、懐の深い街なんです。

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