特別展「古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン」関連番組と展示作品の見どころ

メキシコには35もの世界遺産があり、なかでも高い人気を誇るのが、古代都市の遺跡群です。前15世紀から後16世紀のスペイン侵攻までの3千年以上にわたり、多様な環境に適応しながら、独自の文明が花開きました。本展では、そのうち「マヤ」「アステカ」「テオティワカン」という代表的な3つの文明に焦点をあてます。
火山の噴火や地震、干ばつなど厳しい自然環境のなか、人々は神を信仰し時に畏怖しながら、王と王妃の墓、大神殿、三大ピラミッドなど各文明を代表する壮大なモニュメントを築きました。本展では、普遍的な神と自然への祈り、そして多様な環境から生み出された独自の世界観と造形美を通して、古代メキシコ文明の奥深さと魅力に迫ります。

会期:2023年6月16日(金)~9月3日(日)
※事前予約不要

会場:東京国立博物館 平成館(東京都台東区上野公園13-9)

開館時間:午前9時30分~午後5時
※土曜日は午後7時まで 
※6月30日(金)~7月2日(日)、7月7日(金)~9日(日)は午後8時まで
※入館は閉館の30分前まで

休館日:月曜日、7月18日(火)
※7月17日(月・祝)、8月14日(月)は開館

主催:東京国立博物館、NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社

巡回情報:福岡会場:2023年10月3日(火)~12月10日(日) 九州国立博物館
大阪会場:2024年2月6日(火)~5月6日(月・休) 国立国際美術館

問合せ:050-5541-8600(ハローダイヤル)

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 関連番組情報

上白石萌音のはるかなる古代文明 マヤ

上白石萌音のはるかなる古代文明 マヤ

【放送予定】
8月10日(木)午後7:30~8:42

密林にそびえるピラミッド。封印された仮面。神秘的な文字や図像。古代メキシコに花開いたマヤ文明は、謎多き文明とされてきた。先端技術を駆使した考古学が、実像の解明に挑む!
石造りの建築群を調査することで見えてきた独特の死生観。姿を現した巨大遺跡には、常識を覆す文明の起源が隠されていた。読解が進むマヤ文字から見えてきた戦争の実態。ダイナミックな文明の興亡を探る旅へ! ナビゲーターは上白石萌音。

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生と死、古代メキシコの世界へ! 過去最大の中米古代文明展 徹底紹介

生と死、古代メキシコの世界へ! 過去最大の中米古代文明展 徹底紹介

【放送予定】
7月16日(日)午後7:00~8:29
7月17日(月・祝)午前9:30~10:59
7月17日(月・祝)午前9:30~10:59

中米メキシコの地で栄えた「テオティワカン」「マヤ」「アステカ」という3つの古代文明。ピラミッドや巨大都市を築いた高度な建築技術、精密な天文学、あふれんばかりの黄金、そして多くの生贄いけにえ。彼らは一体、何を追い求めていたのか。なぜ衰退してしまったのか。高精細な8K映像で、来日中の展示品と、メキシコに今も残る貴重な遺跡を紹介。専門家の解説とともに栄枯盛衰を繰り返してきた古代文明の謎をひもといていく。

まやまやぽん!

まやまやぽん!

【放送予定】
「球技」編
7月17日(月・祝)午後0:40~0:45
「工作」編
7月18日(火)午後2:35~2:40
「体操」編
7月18日(火)午後11:45~11:50
「紙芝居」編
7月19日(水)午後10:50~10:55
ほか随時

【出演】
あの/みちお(トム・ブラウン)

み~んなが大好きな、マヤやアステカ、そしてテオティワカンについて、楽しく学べる番組です。おなじみ、「まやまや」と「ぽん」くんと一緒に、歌ったり踊ったり工作をしたりして、それぞれの文明の素晴らしさを学んじゃおっ! ちいさいおともだちも、大人たちも、みんなそろって、まやまやぽん!

 展覧会の見どころ

テオティワカン文明

死のディスク石彫せきちょう

テオティワカン文明、300~550年
テオティワカン、太陽のピラミッド、太陽の広場出土
メキシコ国立人類学博物館蔵
©Secretaría de Cultura-INAH-MEX. Archivo
Digital de las Colecciones del Museo Nacional de Antropología. INAH-CANON

メキシコ先住民の世界観では太陽は沈んだ(死んだ)のち、夜明けとともに東から再生すると信じられていました。この作品は地平線に沈んだ夜の太陽を表わすと考えられています。復元すると直径1.5mにもなる大型の石彫です。


鳥形土器

テオティワカン文明、250~550年
テオティワカン、ラ・ベンティージャ出土
メキシコ国立人類学博物館蔵
©Secretaría de Cultura-INAH-MEX. Archivo Digital de las Colecciones del Museo Nacional de Antropología. INAH-CANON

多くの貝が貼り付けられた、鳥の形をかたどった土器。メキシコ湾岸地域との交易で貝などを手に入れていた商人の墓からの出土品です。


羽毛の蛇神石彫しんせきちょう

テオティワカン文明、200~250年
テオティワカン、羽毛の蛇ピラミッド出土
テオティワカン考古学ゾーン蔵
©Secretaría de Cultura-INAH-MEX. Foto:Jorge Jorge Pérez de Lara Elías

羽毛の蛇神は王権の象徴でした。巨大な石彫で飾られた羽毛の蛇ピラミッドは、全体が王の権力や冠に込めた権威を表わす、メソアメリカで最初の大モニュメントだったのです。

マヤ文明

赤の女王のマスク・冠・首飾り

マヤ文明、7世紀後半
パレンケ、13号神殿出土
アルベルト・ルス・ルイリエ パレンケ遺跡博物館蔵
©Secretaría de Cultura-INAH-MEX. Foto: Michel Zabé

パレンケ13号神殿で真っ赤な辰砂(水銀朱)に覆われて埋葬されていた「赤の女王」。このマスクをはじめとする品々を身に着けていた墓のあるじは、パカル王妃であった可能性が指摘されています。


猿の神とカカオの土器蓋

マヤ文明、600~950年
トニナ出土
トニナ遺跡博物館蔵
©Secretaría de Cultura-INAH-MEX. Foto:Ignacio Guevara

猿の形相をした神の像で、猿が好んで食べるカカオの実の装飾がみられます。カカオ豆は飲料にするほか、スペイン侵攻時には通貨として使われていたことが知られており、重要な交易品でした。


チャクモール像

マヤ文明、900~1100年
チチェン・イツァ、ツォンパントリ出土
ユカタン地方人類学博物館 カントン宮殿蔵
©Secretaría de Cultura-INAH-MEX

後古典期のチチェン・イツァやトゥーラで多く見つかる彫像で、アステカにも受け継がれました。腹の部分が皿のようになっており、供物や時には生贄の心臓がささげられることもあったとみられます。

アステカ文明

わしの戦士像

アステカ文明、1469~86年
テンプロ・マヨール、鷲の家出土
テンプロ・マヨール博物館蔵
©Secretaría de Cultura-INAH-MEX. Museo del Templo Mayor

テンプロ・マヨールの北側、鷲の家で見つかった等身大とみられる戦士の像。王直属の「鷲の軍団」を構成した高位の戦士、もしくは戦場で英雄的な死を遂げ鳥に変身した戦士の魂を表しているといわれます。


トラロク神のつぼ

アステカ文明、1440~69年
テンプロ・マヨール、埋納石室56出土
テンプロ・マヨール博物館蔵
©Secretaría de Cultura-INAH-MEX. Museo del Templo Mayor

雨の神であるトラロクはメソアメリカで最も重要視され、多くの祈りや供え物、生贄が捧げられた神です。水をたくわえるための壺にトラロク神の装飾を施すことで、雨と豊じょうを祈願しました。

 動画「テオティワカン マヤ アステカ~古代メキシコの文明に迫る~」(11分)

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