これまでの街歩き

リガ/ ラトビア

2005年7月26日(火) 初回放送

語り:矢崎 滋

撮影時期:2005年5月

世界地図

地図

場所

バルト三国の中央に位置するラトビア、その首都がリガです。人口はおよそ74万人。
リガの街は13世紀後半、ハンザ同盟に加わり東西の貿易の拠点として急速な発展を遂げていきました。バルト地方の経済・文化の中心的な都市として栄えたのです。
16世紀以降のリガは、ポーランド、スウェーデン、帝政ロシア、ドイツなどの国々に支配されました。そして1991年、旧ソ連からの独立を果たします。
現在では、旧ソ連時代には、その価値をあまり認められなかった中世の建造物などの修復が進み、かつて「バルトのパリ」と呼ばれていた町並みはその美しさを取り戻しつつあります。リガの旧市街はユネスコの世界遺産に指定され、ヨーロッパ各地から多くの観光客が訪れるようになりました。

Information

百万本のバラ

 歌手の加藤登紀子さんが歌い大ヒットした「百万本のバラ」。日本でもお馴染みのこの歌、
 実はラトビアで生まれました。
 「百万本のバラ」のオリジナルは、作曲をライモンズ・パウルス氏(ラトビア共和国 元文化大臣)、作詞は詩人のレオンス・ブリエディス氏によって作られました。レオンス・ブリエディス氏は旧ソ連時代には作品について検閲を受け、発表が制限されていた詩人です。
 
  ♪「子どもの頃泣かされると、母に寄り添って慰めてもらった。
    そんなとき母はほほえみを浮かべささやいた
    神は娘に命を与えたけれど 幸せをあげ忘れた」    (訳:黒沢 歩)

という母娘の悲しい人生を綴るオリジナルの歌詞には、他国に支配され続けてきたラトビアの苦難の歴史が暗示されているのです。

アールヌーボー様式の建築群

リガの「アルベルタ通り」付近にはアールヌーボー様式の建築が軒を連ねています。これらの建築群は19世紀後半から20世紀にかけて建てられました。リガのアールヌーボー様式の建築は、非常に凝った装飾とその数の多さから、現在ヨーロッパでも注目を集め、近年多くの観光客が訪れるようになりました。
 ちなみにリガのアールヌーボー建築を数多く手掛けた建築家は、かの有名な映画「戦艦ポチョムキン」のセルゲイ・エイゼンシュテイン監督の父、ミハイル・エイゼンシュテインです。

琥 珀(こはく)

リガ旧市街には、琥珀で作られた装飾品を売る土産物の屋台や宝石店が数多くあります。指輪、ネックレス、ブレスレット、イヤリング、 またライターやキーホルダーなど、商品の種類も豊富で、多くの観光客がリガ土産に琥珀を購入していきます。
 リガの海岸地帯には広大な松林が広がっています。数千年前に松脂(まつやに)が化石化したものがバルト海の侵食によって地表にその姿を現します。その化石化した松脂こそ、琥珀です。嵐の翌日などに海岸線を歩くと、化石化した松脂の塊を見つけることが出来るといいます。リガ名物の琥珀は、まさにバルトの賜物(たまもの)なのです。

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