これまでの街歩き

ブダペスト・ブダ編/ ハンガリー

2007年1月23日(火) 初回放送

語り:工藤夕貴

撮影時期:2006年12月

世界地図

地図

場所

“ドナウの真珠”と呼ばれるハンガリーの首都ブダペスト。ドイツを源流とし、黒海へと注ぎ込むドナウ川が街の真ん中を流れます。 そのドナウ川を境に、西岸のブダ地区、東岸のペスト地区に分かれ、2つの街を合わせて「ブダペスト」と呼ばれています。 西岸の街ブダは14世紀には、ハンガリー王国の首都となりました。王宮が建てられ、ルネサンス文化の開花と共に繁栄しました。しかし、その後、オスマン・トルコの侵攻やハプスブルク家による支配、第二次世界大戦での破壊、社会主義体制からの民主化など、波乱の歴史を歩んできました。現在のブダは、王宮をはじめとする歴史的建造物が多く残され、丘の上からの美しい風景とともに、多くの観光客を魅了しています。

Information

ハンガリー名産 フォアグラとトカイ・ワイン

世界三大珍味の一つ、フォアグラ。実は、ハンガリーの名産品でもあります。ガチョウに大量の食事を与えることによってできる脂肪肝を食すもので、このような食べ方は古代エジプトの時代から、あったとか。そして、もう一つの名産品がフォアグラとも相性のいい「トカイ・ワイン」。ブダペストの北東に位置するトカイ地方では火山灰を含む地質に加え、暑く乾燥した夏、湿っぽく長い秋、川から立ち上る霧などの自然条件により、ブドウの表面に貴腐(きふ)菌が発生し、非常に糖度の高いブドウができるのです。そのブドウを原料にして作られた「トカイ・ワイン」は、フランスのルイ14世をして「王様のワイン」と言わしめたハンガリー自慢のワインなのです。

社会主義の遺産 彫像公園

ブダペストの郊外にある彫像公園には、第二次大戦後の社会主義時代に作られた銅像が42体、置かれています。もともとはブタペストの市中にあった銅像を、1989年の社会主義体制の崩壊後にこの公園に集めたものなのです。この中の一つに、足元だけの銅像があります。1956年のハンガリー動乱の際、ソ連支配からの自由を求めてほう起したハンガリー民衆は市街地に立っていたスターリン像を足元から切り倒しました。これは、その時残ったスターリン像の足元を復元したものなのです。
他にも、社会主義の未来を指し示すように手を伸ばすレーニン像など、ブダペストの歴史を語る上では欠かせない観光名所のひとつとなっています。

子ども鉄道

ブダの西方にそびえるヤーノシュ山には「子ども鉄道」とよばれる鉄道があります。12kmの区間を、運転手以外、すべて子供が運営するという世界でも珍しい鉄道です。10歳から14歳の子供たちが、鉄道員の服を着て、車内の検札や、切符売り、案内放送までとり仕切っています。もともと社会主義時代「ピオニール」という共産党の青少年組織が設立したもので、現在は学校の課外活動の一環として受け継がれているもの。子どもたちの間でも大人気だそうです。
静かなヤーノシュ山をゆっくり走る子供鉄道、一度乗ってみませんか?

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