これまでの街歩き

コペンハーゲン/ デンマーク

2008年7月31日(木) 初回放送

語り:中嶋朋子

撮影時期:2008年5月

世界地図

地図

場所

ドイツと国境を接するユトランド半島と、500近くの島からなるデンマーク。コペンハーゲンはデンマーク最大の島、シェラン島の東海岸にあります。都市圏の人口は164万、北欧有数の大きな街です。
12世紀にアブサロン司教が要さいを築いたのが始まりで、1416年には王国の首都となっています。コペンハーゲンは「商人の港」という意味ですが、それは建設以来、商業上の重要な拠点だったから。いまも北ヨーロッパの交通の要衝としての機能を担っています。
街に残る主な建造物は17世紀の「建築王 クリスチャン4世」の時代に建てられたもの。たびかさなる大火災や戦争をくぐりぬけて、コペンハーゲンの往時を今に伝えています。

Information

自転車

世界一自転車が乗りやすい街といわれるコペンハーゲンでは、1970年代から自転車の優遇政策が行われてきました。自転車専用レーンが整備され、自転車の方も交通法規を守って走っています。自動車と同じく右側通行で逆走はできませんし、手でしっかり「右折」「左折」の合図を出しています。いまや市民の3割以上が自転車通勤。2015年までの目標は5割だそうです。
街の中ではさまざまな自転車を見かけます。中でも便利そうなのが、幼児も乗せられる荷台がついた三輪自転車。1980年代に、エコロジーな生活を目指したヒッピーのコミュニティで開発されたそうです。いまではなくてはならない市民の足。
デンマーク自転車協会のお勧めの製品はペダルのついていない2歳児用二輪車。またがって歩くことでバランス感覚が養われ、歩けるようになると同時に自転車もこげるようになるのだそうです。

チボリ公園

世界で最も古い遊園地と言われるチボリ公園。1843年、新聞社のオーナーであるゲオ・カーステンセンが市民から資金を集めて開園しました。
当時はヨーロッパで市民社会が成熟しつつあった時代。しかしコペンハーゲンにはまだ市民のための娯楽施設はありませんでした。そこでカーステンセンは、誰もが平等に利用できる遊園地を作ったのです。パン1斤分の入場料さえ払えば、貴族も平民も分け隔てなく楽しめるという発想は画期的で、開園以来市民にやすらぎの場所として愛されています。第一次大戦、第二次大戦中も営業をし続け、これまでに三億人もの人達が訪れたとか。

人魚姫

コペンハーゲン市庁舎の横にはデンマーク出身の童話作家、アンデルセンの像があり、大好きだったチボリ公園を見上げています。アンデルセンは、コペンハーゲンでたくさんの作品を生み出しました。
街の中心部の北側、カステレット要さいの水路河沿いには、アンデルセン童話の主人公の像があります。それは、人間の王子にかなわぬ恋をした「人魚姫」。20世紀初頭の彫刻家、エドワード・エリクセンの作です。尾が半分人間の足のようになっているのは、魔法で人間に変わる瞬間を表現したからだといいます。有名になりすぎて人だかりで見えにくいため、市当局が数メートル沖へ移転しようとしたところ、「人魚姫島流し?!」と報道され世界的な騒ぎになったことも。
最近、人魚姫に妹分ができました。現代デンマークを代表する芸術家ビョーン・ノアゴーがモダンな像をつくったのです。「人魚姫」からわずか1kmの場所に座っています。

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