これまでの街歩き

台南/ 台湾

2009年4月30日(木) 初回放送

語り:中嶋朋子

撮影時期:2009年3月

世界地図

地図

場所

台南は台湾西南部に位置し、台湾の中でもっとも歴史が古い街です。人口は77万(2008年)。
中国・明の時代から、漢民族の移住が増えました。しかし17世紀初頭に、オランダが台湾を支配します。その中心が台南でした。漢民族がオランダ人から台湾を奪還した後も、行政府はここに置かれました。
その後の日本の統治時代に現代の街の形ができあがり、市内に鳳凰木(ほうおうぼく)が植えられました。今も7月になると真っ赤な花が咲きます。そのため今では台南は鳳凰の街とも呼ばれます。

Information

赤崁楼(せきかんろう)と台湾秘史

17世紀初頭、台湾にはまだ確立した行政府は存在していませんでした。1624年にオランダが上陸し、台湾を支配します。この赤崁楼はオランダ人の築いた城なのです。しかし1661年、1人の軍人が台湾からオランダを撃退しました。鄭成功という軍人です。
実は、彼の母親は日本人でした。日本が鎖国をしていた江戸時代、外国人の入国を許された長崎の平戸に、鄭芝龍という明の豪族が来ました。そこで日本人・田川マツと出会い、マツは鄭成功を生んだのです。鄭成功は7歳まで日本で過ごし、やがて父親とともに中国大陸へ渡りました。オランダから台湾を奪回した後も、赤崁楼は長く、台湾の行政の中心として使われてきました。

台南に詣でる神様たち

台湾で一番盛んな宗教は道教です。台湾の道教には、「親社に当たる廟(びょう)や神格の高い神様に、地方の神様が詣でる」という習慣があり“進香団”と呼ばれています。それぞれの廟によって、進香団の規模や流儀は異なりますが、かぶり物や楽隊、大勢の信者を引き連れ、観光バスなどでにぎやかに参拝します。タンキーと呼ばれるシャーマンを連れてくることもあります。
台南は台湾に道教がもたらされた土地ということで、神格の高い廟が多くあります。週末になると、台湾各地から進香団が訪れ、お祭りのような風景を街のあちこちで見ることができます。

写真集作り

台南の若者の間ではやっているのが、自分の写真集を作ることです。台湾の多くの人は写真が好きで、タレントやアイドルのようなポーズも恥ずかしがりません。街の写真館には個人向けの写真集作成プランがあり、衣装、ヘアメイク、カメラマン、スタジオなどが利用できます。プロの手による撮影なので、美しく変身して写真集を作ることができます。撮影後もコンピューターを使って美白にしたり顔のシワを取ったり、体の輪郭まで補正してくれたりします。
この技術は証明写真にも使われていて、台湾で証明写真を撮ると、美しく仕上がってきます。

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