これまでの街歩き

台南/ 台湾

2009年4月30日(木) 初回放送

語り:中嶋朋子

撮影時期:2009年3月

街の「焼き菓子屋」

Photo

四代続く老舗(しにせ)のお菓子屋さん「連得堂」。
店には大きくて古い回転式の鉄板が見えます。この店の三代目になるおばあさんと、四代目の夫婦が交代で手作業で焼いています。卵と牛乳で作るお菓子の味付けは、プレーンと味噌(みそ)です。台南でも数少ない老舗ということもあり、人気が沸騰(ふっとう)。お店での購入はお1人さま2パックまでだとか。
予約は、5か月待ちというすごさです。ちなみにこのお菓子は、昔日本人から手ほどきを受けたものだそうです。

街の「二階の扉」

Photo

現在の台南の市街地の大半は、昔は海でした。この道、“神農街”もかつては港に隣接する運河。運河は埋め立てられましたが、その両脇に建っていた家が残されています。海上貿易が盛んだったころ、このあたり一帯は、非常ににぎやかだったのです。
当時の家屋は、一階は商売用で、二階は倉庫。船の積荷は運河から直接、二階の倉庫に運びあげられていました。そのため、今も建物には二階に扉が残されています。
案内してくれたおじいさんは、代々続く伝統的なおみこしを作っている方でした。

街の「喫茶店」

Photo

肩幅よりも狭い路地の奥に、一軒の喫茶店がありました。オーナーが古い家を改造し、1990年にカフェとしてオープンしました。レトロな雰囲気に加え、メニューには変わったものがたくさんあって、週末は地元の人たちでいっぱいになる人気のお店です。
女の子たちが作っている「レイ茶」は漢字では「擂茶」と書きます。「擂」とは中国語で研磨する、すりつぶす、というような意味です。このお茶は、器の中でお茶の葉にゴマや落花生などをあわせてすり混ぜ、お湯で溶いた物です。暑い夏、食欲が落ちるころの物として、栄養のあるナッツ類をあわせて作るのです。擂茶の起源は、中国の三国時代に蜀(しょく)の武将・張飛が、兵隊の間に疫病がまん延したとき飲ませたものと言われています。もともとは「生米」「生茶」「しょうが」の3つをすり混ぜたものだとか。

※NHKサイトを離れます
ページトップ