これまでの街歩き

タリン/ エストニア

2010年7月11日(日) 初回放送

語り:矢崎 滋

撮影時期:2010年5月

世界地図

地図

場所

北ヨーロッパの中でも最も保存状態が良い中世の街並みを持つタリンは、バルト三国の中で特に観光客に人気が高い都市です。人口は約40万。1997年、旧市街は世界遺産に登録されました。タリンの空港から街の中心まではバスで15分ほど。街の北側にあるタリン港は、フィンランド湾をフェリーで渡ってくる北欧からの観光客でにぎわいます。
エストニアは、1991年に旧ソ連から独立を果たした新しい国ですが、首都・タリンは歴史の厚みと、ヨーロッパ諸国との関係の中で発展したIT産業などの新しい面をあわせ持つ街です。

Information

タリンの歴史

エストニアの中心都市・タリンは、ロシアとヨーロッパの間に位置することから、さまざまな国の攻撃・侵略を受けてきました。
13世紀前半、ここを最初に征服したのはデンマークでした。「タリン」の語源はエストニア語の「デンマークの城」という意味です。
13世紀後半、ドイツの都市を中心としたハンザ同盟がバルト海の覇権を握り、タリンもこの同盟に加わることで大きく発展しました。旧市街には当時作られた荷揚げ用の棒がついた建物がたくさん残っています。
その後、16世紀にはスウェーデン、18世紀には帝政ロシアに支配されます。
ロシア革命のあと、エストニアは1918年に独立を果たしますが、第二次世界大戦前にはソ連に支配されるようになり、再び独立が宣言されたのは1991年でした。
輝きを取り戻した中世の首都、タリンへようこそ!

伝統料理“スルトゥ”

エストニアの短い夏を代表する伝統的な家庭料理“スルトゥ”の作り方を紹介します。
まず、たっぷりの豚のモモ肉と豚足を大鍋でゆでます。そこに焼いたタマネギ、ニンジン、コショウ、最後にローリエを加え、6時間じっくり煮込みます。モモ肉が十分柔らかくなったら、取り出して細かく刻み、豚足のゼラチン質がたっぷり溶け出したスープに再び入れて火を通します。熱いうちに器に入れ、一晩冷やしてゼラチン質が固まるのを待ちます。これで豚肉のゼリー寄せ「スルトゥ」のできあがり。
各家庭はもちろん、スーパーにも必ず売っている一品。冷やして固める料理は暑い季節に最適。コラーゲンたっぷりなので美容・健康に関心の高い日本のみなさんにもぴったりの料理です。

フォークダンス

エストニア国民は音楽とダンスが大好き。地域によって異なるさまざまな衣装で着飾り、フォークダンスの技を継承すべく日々練習を重ねているグループがたくさんあります。
エストニアのフォークダンスはストーリーがあるのも特徴。例えば、花婿が花嫁を手に入れるまでにほかの女性からいろんな邪魔が入る…といったような男女関係を風刺したものなどがあります。
タリン市内にあるエストニア野外博物館では、フォークダンスの実演も行われています。大人から子どもまで、みんなで楽しめるエストニアの伝統文化の魅力をご堪能(たんのう)ください。

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