これまでの街歩き

グアダラハラ/ メキシコ

2012年5月29日(火) 初回放送

語り:中嶋朋子

撮影時期:2012年3月

世界地図

地図

場所

 メキシコ中西部、ハリスコ州の州都グアダラハラは人口約165万。標高1600mに位置するメキシコ第2の都市です。かつてこの地を征服したスペイン人が原野を開拓し、1530年代に街がつくられました。16世紀後半にはキリスト教を広めるためにたくさんの教会が建てられました。街は中心部から碁盤の目状に広がっています。
 メキシコ音楽の楽団・マリアッチと蒸留酒テキーラの発祥の地として知られ、中心部には世界遺産に登録されている孤児院と病院の複合施設「オスピシオ・カバーニャス」も存在し、メキシコの歴史と文化を色濃く残しています。
 伝統的に性別問わずブーツや帽子を身につける人が多く、カウボーイが身にまとっていた「ソンブレロ」と呼ばれる帽子も人気です。街のはずれにはロデオの原型「チャレアーダ」の競技場があり、多くの観客でにぎわっています。約500年にわたり、開拓者の精神が今でも受け継がれている古都です。

Information

マリアッチ

 メキシコ名物マリアッチは、ギターとその大型版・「ギタロン」、そしてトランペットやバイオリンを基本的な編成とし、5人以上で多彩な曲を演奏するメキシコ音楽の楽団です。結婚式やパーティーに呼ばれたり、路上で演奏したりと、活躍の場はさまざま。伝統的な民族衣装を身にまとい、日夜お客さんを楽しませてくれます。
 グアダラハラで生まれたといわれるマリアッチ。その起源は開拓時代の16世紀までさかのぼります。祭りや祝いの席で奏でられた音楽が、独自に発展し、現在のような形になりました。特にグアダラハラでは、毎年「国際マリアッチとチャレリア大会」が開かれ、世界各国から集ったプロのマリアッチが演奏を披露します。今やマリアッチの文化は世界に広がっていて、中南米だけでなくスペインでも祭りなどで演奏が繰り広げられるようになりました。マリアッチはメキシコの誇りでもあるのです。

テキーラ

 テキーラの故郷としても知られているグアダラハラ。郊外には、テキーラの原料であるリュウゼツランの畑が広がっています。その美しい風景は2006年、世界遺産に登録されました。
 リュウゼツランは苗を植えたあと6年から8年で収穫されます。葉の付け根にあたる芯の部分がテキーラに使われます。その重さは大きいものだと30kgにも。中身の甘いデンプン質が原料になります。原料を蒸して水分をとり出し、発酵させてから2回蒸留します。それをカシの木のたるに入れて1年から5年寝かせます。長く寝かせるほど色は濃く、味は甘くなって口当たりも優しくなります。
 テキーラを使った地元で人気のカクテルは、その名も「マティーニ・グアダラハラ」。作り方は、まずシェーカーにレモンとバジルを入れ、次にホワイトテキーラを1と2分の1オンス加えます。黒こしょうも少々。さらにスプーン2杯の砂糖とブルーベリージュースを加えてシェイクすれば、出来上がり。
 ほかにも、テキーラを使ったカクテルは「マルガリータ」や「テキーラサンライズ」など実にたくさんあります。テキーラはまさに“カクテルの王者”と言えるでしょう。
 テキーラの本場・グアダラハラに来たら、とっておきのカクテルをぜひ味わってみてください!

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

 グアダラハラにある「リベルタ市場」は売り場の面積が世界第2位を誇り、300もの飲食店がひしめいています。「ここならおいしいものが、何でも手軽に食べられる」と、地元タクシードライバーのマヌエルさんがベスト3を教えてくれました。

街の定番「カルネ・エン・ス・フーゴ」

牛肉をコンソメで煮込み、それにタマネギとアボカドをのせたもの。食べる前にライムをひと絞りするのがポイント!暑いメキシコでは少し酸味を加えることが、さっぱり感を増してちょうどいいんです。

ピリッと辛い「トルタ・アオガーダ」

豚肉のサンドイッチを、サルサソースの効いた辛いスープに浸したもの。スープがパンにしみ込んで、とってもジューシーです。

開拓者たちが愛した「ビリア」

材料はオーブンで焼いた羊の肉。これに肉汁をかけ、トルティーヤ(トウモロコシ粉を水でとき薄焼きにしたもの)で巻いて食べます。肉の癖が無く、あっさりしていて、いくらでも食べられます。

以上、グアダラハラでの食べ歩きにリベルタ市場は欠かせません。くれぐれもお忘れなく!

※NHKサイトを離れます
ページトップ