これまでの街歩き

ハワイ島ヒロ/ アメリカ

2012年12月18日(火) 初回放送

語り:萩原聖人

撮影時期:2012年10月

世界地図

地図

場所

 ハワイ州第2の都市、ヒロ。人口が州都ホノルルの8分の1以下の4万と少なく、街には高い建物がほとんどありません。豊かな緑に囲まれたヒロは、大自然の楽園ハワイ島の玄関口。街には築100年以上の古い建物が大切に保存され、散策するとどこか懐かしい気分を味わえます。
 ヒロは、わたしたち日本人とゆかりの深い街。19世紀、さとうきび畑で働くためにハワイ島へ移住してきた日本人が、街の礎を築いたのです。今でも多くの日系人がヒロで暮らし、日本庭園や鳥居など、街のあちこちで日本文化の名残を見ることができます。
 また、ヒロを抱くようにそびえるハワイ諸島の最高峰マウナケア山の山頂にあるのが、日本でもおなじみの大型望遠鏡「すばる」。南国の山にも関わらず、4205mの山頂には雪が降り積もるのだとか。澄み切った空気と人工の光が少ない環境の中で、「すばる」望遠鏡は世界の天文観測の第一線で活躍しています。

Information

雨の恵みを楽しむ町

 雨の恵みを楽しむ街ハワイといえば青空のイメージですが、ヒロは別名「雨の都」。年間およそ270日は雨が降り、アメリカでも特に降雨量の多い街として知られています。その理由はハワイ島の地形にあります。島の中央にそびえ立つ4205mのマウナケア山をはじめ、巨大な山々が太平洋から吹き付ける湿気を含んだ貿易風の流れをせき止めています。その結果できた雨雲が、山のふもとに広がるヒロの街に多くの雨を降らせるのです。その最大の恩恵は、植物の豊かさです。街は一年中緑であふれ、葉っぱや幹もすべて巨大。雨が多くて憂うつかと思いきや、さすがは「雨の都」。暮らしのあちこちに雨を楽しむ遊び心があふれていました。
 ヒロの人々は、街に降る雨のことを“カニレフア”(ハワイ語で「花の音色」の意)と名付けたり、カラフルな傘でおしゃれを楽しんだり、雨に恵まれた暮らしを存分に満喫しているようです。

グレート・ネイチャー

 広い太平洋の中央に位置し、大陸から遠く離れているハワイ諸島。他の地域から生物が渡ってくることが難しいため、独自の生態系が発達してきました。その多様性たるや“もしダーウィンがガラパゴスより先にハワイを訪れていたら、進化論はハワイで説かれていただろう”と言われるほど。ハワイ島は、そんなハワイ固有の生物が数多く生息する自然の宝庫です。
 ヒロにあるハワイ島唯一の動物園「パナエワ熱帯雨林動物園」では、「ハワイアン・ホーク」や「プエオ(ミミズク)」など、絶滅が危惧される貴重な鳥たちが飼育されています。しかも毎週土曜日には、そんな貴重な動物たちとふれあうことが可能。失われつつある自然を身近に観察することができる、人気スポットです。
 さらに、ヒロの郊外に広がるのは、ハワイ島最大の滝を有する「アカカ滝州立公園」。広大な熱帯雨林を縫うようにトレイルが作られ、ハワイ島の大自然を全身で体感することができます。巨大な木生シダ“ハープ・ウ”をはじめ、ハワイだけに自生する植物を間近で観察できるのもポイント。
 独自の地形と気候が生んだヒロの雄大な自然。それを誰もが楽しむことができることが、最大の魅力です。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

 日系移民の街ならではの名物グルメを教えてくれるのは、街一番のスイーツ好き大学生こと、ノエアウ・カリマさん。ヒロには、日系移民が持ち込んだ食文化がアメリカの味と融合し、独自の進化を遂げた “ハイブリッド”なスイーツが目白押しなんだとか。そんなヒロのユニークなスイーツ、ベスト3がこちらです!

ココパン

見た目はあんぱんそっくりですが、中身はなんとココナツ!甘くてシャキシャキの歯ごたえがたまらないココナツのペーストは、焼きたてのパンとの相性が抜群です。日系移民の食文化が地元に根づいて生まれたこの“ハワイ風あんぱん”、今では他の島から買いに来る客もいるほど、大人気!押しも押されもせぬ、ヒロの名物スイーツ第1位です。

あられポップコーン

アメリカと日本の代表的なおやつが合体!ポップコーンとあられを混ぜ、のりとバターをトッピングすれば完成です。見た目はちょっと不思議ですが、あられのしょうゆ味とバターの風味がぴったり。ヒロでは昔から定番のおやつです。

レインボーかき氷

トロピカルフルーツのシロップが何種類もかかった虹色のかき氷。おいしさの秘密は、戦前に日本で製造され、移民によって持ち込まれた、レトロな“かき氷機”。この機械でしか作れないフワフワの氷が評判の一品です。

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