これまでの街歩き

カンヌ/ フランス

2013年2月19日(火) 初回放送

語り:永作博美

撮影時期:2013年1月

世界地図

地図

場所

 フランス南東部の地中海に面する都市で、人口はおよそ7万。毎年5月に行われる映画祭の時期は、参加者や映画関係者で街は大にぎわい。人口が倍になると言われています。もともとは小さな漁村でしたが、1934年にコレラの猛威から逃れてイギリスからやって来たブルハム卿の滞在がきっかけとなり、フランス内外の貴族がこの地に別荘を建てはじめ、現在のような高級リゾート地になったそうです。
 海沿いのクロワゼット通りには高級ホテルやブティックが立ち並び、海岸は夏になると大勢のバカンス客で埋め尽くされます。一方、街の西側のル・シュケ地区には昔ながらの漁村の面影が今も残り、庶民的で人情味あふれる地域です。

Information

カンヌのセレブファッション

 カンヌは、映画スターや世界中のセレブが集まる街。街を歩くと、おしゃれな人の多さにビックリします。そこで、カンヌのファッション界をけん引してきたトップデザイナーのアリーヌ・ビュッフェさんに、“街角ファッション・チェック”をお願いしました!
 もともとパリで舞台衣装のデザインをしていたアリーヌさんは、カンヌの人たちの暮らしに感化され、この街にオートクチュールのアトリエをオープン。さらに、若いデザイナーを育てるためにデザイン学校を主宰しています。
 アリーヌさんによると、カンヌの人々のファッションセンスは、なかなかのものだそうですよ。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

 街歩きしながら楽しめるご当地の味を、カンヌで料理教室を開いているファブリスさんに紹介してもらいます。カンヌの味は、何と言ってもシーフード!ファブリスさんが選ぶ海鮮料理のベスト3です。

スズキ料理

 カンヌでは、どの家庭にも自分の家だけのスズキ料理があると言われるほど、スズキはカンヌっ子にとってポピュラーな魚。市内のレストランでも必ず “シェフのおすすめ”メニューになっています。今回は、ファブリスさんの料理学校のシェフに料理を作ってもらいました。スズキの身にレモンとハーブを挟んで焼けば、スズキのおいしさを一層引き立てます。ハーブのウイキョウを地元のお酒・パスティスでフランベし、スズキと一緒にいただきます。カンヌでディナーを楽しむなら、スズキ料理をお忘れなく!

魚のスープ

 漁師さんの網に入った魚なら、雑魚でも何でも一緒に煮てしまう濃厚スープ。魚は骨も頭もミキサーで粉々にし、トマトと塩と香辛料を加えてごった煮にします。ポタージュのようにトロミがあり、魚のうま味がぎっしり詰まったスープです。にんにくバターとチーズが乗ったクルトンをこのスープに浸し、口に放り込むのがカンヌ流の食べ方ですよ。

カキ

 カンヌ近海はカキの成育にふさわしい環境で、大きくて身が引き締まったカキがたくさんとれるんです。カンヌで人気があるのは、日本でもおなじみの“生ガキ”。レモンをしぼって、ちょっとピリ辛のソースをかけたら、そのままペロリ!生ガキのミルキーな味わいは、やっぱりカンヌっ子もとりこにするんですね。

ちょっとより道

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!

スミレの村
語り:山口奈々

 カンヌからの“より道”は「トゥーレット・シュル・ルー」。
 ここはなんと、冬でもスミレが咲き乱れる「スミレの村」なんです!トゥーレット・シュル・ルーまでは、海沿いのカンヌからバスを3本乗り継いで、およそ2時間半。山並みの中腹、標高450mのところにスミレの村はあります。スミレは標高が高く湿気の少ない土地を好むため、ここはスミレの栽培にとても適しているんだとか。スミレは露地栽培ではなく、ハウスの天井からつるして栽培されています。この方法だと、露地栽培の4倍の収穫が見込めるそうです。スミレの花は、化粧品や香水はもちろんリキュールやキャンディーにも使われるほど、とても人気があるそうです。
 この村は大きな岩山の頂上に築かれているため、南フランスでは“鷲(わし)ノ巣村”と呼ばれています。中世のころ、地中海沿岸からやって来るサラセン人の攻撃から逃れるため、こんな険しい山の頂上に住みついたのが村の始まりなんだとか。村の中は、まるで迷路のよう!自然の石をそのまま積み重ねたような、素朴でかわいらしい家並みが続いています。中世から時間が止まったかのような山の上の小さなスミレの村。カンヌに来たら、ぜひ立ち寄ってみてください。

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