これまでの街歩き

カンヌ/ フランス

2013年2月19日(火) 初回放送

語り:永作博美

撮影時期:2013年1月

街の「定点写真家」

Photo

 カンヌ旧港の防波堤の上で街の写真を撮っていたのは、写真家のジル・トラベルソさん。地元の写真家の4代目で、初代は1919年に写真を撮りはじめたひいおじいさんだそうです。
 ひいおじいさんは、カンヌのあらゆる場所で風景写真を撮影し、作品として残しました。それから80年以上たった今、ひ孫のジルさんがまったく同じ場所で写真を撮り直しているそうです。古い写真と今の写真を見比べると、街の変化が見えてきます。昔と変わったところもあれば、そのまま残っている場所も…。
 また、トラベルソ家では代々、カンヌ映画祭の公式カメラマンもつとめています。ジルさんのお父さんは、デビュー間もないころのフランスの人気女優、ブリジット・バルドーを撮影。その時、サインを求めて走ってきた少年が一緒に写真に写りました。少年はその後、アメリカで弁護士になり、45年後に息子を連れてトラベルソ家の写真事務所をもう一度訪れてくれたというエピソードがあるそうです。カンヌの街と人を見つめてきたトラベルソ一家。これからも街の歴史を記録し続けていくのでしょうね。

街の「ブロマイド屋さん」

Photo

 「カンヌ国際映画祭」が開催される5月になると、大勢の観光客でにぎわうお店があります。それは、ブロマイド屋さん。店内には壁一面に映画スターの写真が貼られ、お店の中央にはお目当ての俳優のブロマイドをすぐに見つけられるように並べた棚があります。このお店で扱うブロマイドは、ハリウッドスターが中心。売り上げのトップは、ジョージ・クルーニーとブリジット・バルドー。このお店に来る女性客は、ほとんどがジョージ・クルーニー好きなんだとか。
 若い人に人気があるのはブラッド・ピットで、いろいろな髪型のブロマイドがそろっています。また、日本人のお客が好きなのは、オードリー・ヘプバーンとスティーヴ・マックイーンなのだそう。ちなみにここの店主は、日本の女優・木暮実千代の大ファン!映画「祇園囃子」を観て、その美しさに大感激したのだそうです。

街の「市場前のカフェ」

Photo

 カンヌの下町、ル・シュケ地区にある市場は、毎朝5時から夕方まで大にぎわい。その向かいに、市場で働く人や買い物客が利用するカフェがあり、こちらも朝5時から熱いコーヒーを楽しむことができます。常連客の中には漁師さんも多く、大漁の時はここで調理してもらって、カキやウニ、スズキを使った料理を大盤ぶるまいしてくれることも。お酒は、南フランスでよく飲まれる“パスティス”が人気。アニスという香辛料で味付けされたリキュールで、食前酒として愛飲されています。
 それにしても、ここの店員さんは美人ぞろい!いつも男性客でいっぱいなのは、これが理由かもしれませんね。

※NHKサイトを離れます
ページトップ